カテゴリー別アーカイブ: 英国の地方自治情報メモ

自治体は余剰人員のコストを懸念

2010年11月16日 

政府の決定した予算編成方針に伴い、自治体は歳出削減を行うために人員削減を強いられることとなるが、いくつかの自治体ではその余剰人員削減コストの支払いに苦しむことになると自治体が政府に警告している。
今回のケースでは、定年退職者不補充などの人員の自然減だけでは対応は不可能だろう。なぜなら、歳出削減の前倒しに対応するため、自治体は仕事を先に削減しなければならなくなるからだ。LGA(地方自治体協議会)のマーク・ルートレイ財務部長は「今回の歳出削減は前例のない規模のものであり、職員配置をどうするかは大きな問題である。自治体の余剰人員削減がどれくらい難しいことであるかについて、決して思い違いをしてはならない」と述べている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 16.11.2010


エコ住宅に関する新ガイドライン

2010年11月11日 

住宅大臣のグラント・シャップス氏は、2010年11月11日、新たにエコ住宅建築に関する簡素化されたガイドラインを発表した。また、持続可能型住宅建築規程の改定についても発表された。
この規程は、新築住宅の全体的な持続可能性を高めるための基準として2007年4月に初めて施行されたものである。この規程では格付制度が設けられており、住宅のエネルギー効率、ゴミ、材料、水の使用などのカテゴリーごとに、住宅のパフォーマンスに応じて1個から6個の星で格付けされる。また、ビルのエネルギー効率についての新たなより厳しいルールについても検討がなされており、住宅建築業者や業界の専門家と協議しながら改訂作業が進められている。また、この改定により、人々が今住んでいる住宅についても、上記の基準について容易に評価することが可能となる見込みである。


自治体は使用料値上げの模様(公的支出削減の影響で使用料が大幅値上げ )

2010年11月11日 

多くの自治体では、駐車場料金やレジャーセンターの利用料にとどまらず、デイケアや保育・託児サービス、高齢者への食事宅配サービスといった基本的な行政サービスについてまでも値上げを検討中である。
しかし、2007年の経済危機以降、人々が支出を抑えているため、使用料・手数料収入は急激に減少しており、値上げにより収入が急速に増加に転じることは望み薄である。世論調査ではまた、不可欠な行政サービスが維持されるなら、ある程度の値上げは止むを得ないと考えている人が多いことも示唆されている。
*参照 The MJ 11.11.2010, front page


地域事業パートナーシップ(LEPs)は南部に集中、北東部は大敗(北東部は地域事業パートナーシップの新しい24のリストから閉め出し)

2010年11月04日 

24箇所の初の地域事業パートナーシップの配置地図を見てみると、イングランド南部と中央部に集中していることが明らかである。南西部には一つだけ、そして北東部にもたった一つあるのみである。
一方で、歳出削減の影響は、北東部が一番ひどく受けることになるだろうと広く考えられている。それゆえ、開発を呼び込みビジネスの成長を支援する役割を担う地域事業パートナーシップが、これらの地域でほんの少ししか創設されないことは、大きな問題である。
*参照 MJ 4.11.2010 P3


ボランタリー部門の強化

2010年11月02日 

2010年11月2日、グレッグ・クラーク地方分権担当大臣は、政府の他のメンバーとともにボランティア団体のリーダー達とのトップ会議に出席し、ボランティア団体とコミュニティーとが、どのようにすれば地域公共サービス提供により活発に携わることができるかについて議論した。
このことについてはグリーンペーパー(政府の政策提案書)でも簡単に触れられるだろうが、この「権限移譲」の原則は、近々国会に提出される「地域主義法案(Localism Bill)」に位置づけられる見込みである。また、社会的企業(social enterprise)についても、14億ポンドの地域成長基金(regional growth fund)からの助成金に応募することが可能となる見込みである。


政府は24のLEPsを公表

2010年10月28日 

2010年10月28日、エリック・ピクルス・コミュニティ・地方自治大臣とビンス・ケーブル・ビジネス・改革・技術大臣は、地域事業パートナーシップ(Local Enterprise Partnerships – LEPs)の第一次設立者名を公表した。
これらのパートナーシップにより、今後の地域開発は、地域開発公社(RDA)がこれまで所管してきた地域の境界を越えて、経済的にまとまりを持ったエリアにおいて推進されていくことになる。
しかしLEPs自体は今後も自己資金を持たず、代わりに14億ポンドの地域成長ファンド(Regional Growth Fund)からの財源を申請することになりそうである。
【出典】コミュニティ・地方自治省ウェブサイト
http://www.communities.gov.uk/news/corporate/1753564


地域成長白書「白書がパートナーシップ活動の新時代到来を予告」 

2010年10月28日 

政府は、新設される地域成長基金が、どのような仕組みとなるかに関する詳細を、地域成長白書の中で明らかにした。
14億ポンドのこの基金への申請は、民間会社又は地方自治体と民間会社とのパートナーシップによってのみ可能であり、地方自治体単独での申請はできない。また、申請金額には最低額が設けられる見込みで、これにより過剰な少額申請によって許諾手続がごった返すことはなくなる。
また、地域事業パートナーシップ(LEPs)は独自財源を持たず、様々な資金源から資金を得なければならないことや、必要に応じて個別に中央省庁と契約を結ばなければならなくなることも確認された。
*参照 LGC 2010年10月28日号1面


コミュニティー予算の試験的導入が発表

2010年10月22日 

政府は10月22日、「トータル・プレース(Total Place。地域総合予算)」の後継となる施策として、予算を1カ所にプールし、地方自治体が社会的課題解決のための地域支出により大きな権限を持てるようになる試験的枠組みを発表した。
本日、包括的支出見直し(Spending Review) の一環として、16の指定地域において、中央政府から強制されることなく、地域における予算を直接管理できるようになった。来年4月より、第一次指定地域である31の地方自治体やそのパートナー団体を含む16の各地域で、「コミュニティー予算」を管理することになる。このコミュニティー予算は、様々な中央省庁からの補助金を、単一の「地域指定口座」に集め、複雑な問題を抱える家庭に関する社会問題に取り組むための財源となる。
閣僚会議では、緊縮財政の中でも、地域の鍵となる優先課題を解決するための支出については、コミュニティにより多くの権限を委譲することが決定されている。 コミュニティは、限られた財源を確実によりよく利用していることについて、説明責任を自治体に求めることができるようになる。
現在は、様々な問題を抱える約12万世帯のために、年間約80億ポンドが支出されているが、これらは何百もの異なる事業や省庁・政府関係機関を通じてのみ地域に流されている。このような投資にも関わらず、家庭に関する様々な課題は解決されていない。行政サービスが連携し、問題に早期に関わることで、家庭が自らの生活を好転させる機会が与えられるようになることが必要である。また、この統合された早期介入手法は、行政コストを削減することもできる。
コミュニティー予算は、政府は2013-2014予算年度までに全国的に展開することを予定しており、地方自治体とそのパートナーは、各家庭が抱える諸問題の解決のための財源を一元管理し、地域の問題を地域で解決できるようになる。
試験的な試みがなされる16地域は、以下のとおりである。
グレーター・マンチェスター、レスターシャー、クロイドン、ブラックプール、イズリントン、ハル、ケント、ブラックバーン・ダーウェン、ブラッドフォード、スウィンドン、バーネット、ルイシャム、エセックス、リンカーンシャー、バーミンガム、および4区合同によるロンドン区グループ(ウェストミンスター区、ケンジントン・チェルシー区、ハマースミス・フルハム区、ワンズワース区)


財政赤字削減に向けたジョージ・オズボーン財務相の4年間の戦い

2010年10月21日 

ジョージ・オズボーン財務相は、福祉、高等教育、公営住宅、警察から自治体に至るまで広範囲にわたって歳出削減を行うことで、英国国家の中心深くまで大なたを振るうこととなる「包括的支出見直し(Spending Review)」を昨日発表した。
彼は、この計画によって英国は財政破綻の瀬戸際から脱するだろうと述べている。自治体の予算は今後4年間にわたって総額28%が削減されることになる。LGA(地方自治体協議会)のマーガレット・イートン議長は「自治体は今後、どのサービスを提供し続けることができるかについて、極めて厳しい選択を迫られることになるだろう」とコメントしている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 21.10.2010
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ソーシャル・ワーカーが独立したベンチャー事業を設立する可能性(ソーシャル・ワーカーによる開業の可能性

2010年10月21日 

政府は成人社会福祉サービスを行う社会福祉士(ソーシャル・ワーカー)が地方自治体から独立して自らの事業所を開業できるようにすることを検討している。
現在児童福祉サービスの分野において、教育省の支援により同様の取組が試験的に行われている。
独立成人社会福祉事業所は、保健省の支援を受けることとなる見込みである。ランベス区の成人及びコミュニティー・サービス担当上級部長は、自治体の職員により設置された協力組織(いわゆる「先進者協力」(pathfinder mutuals))を支援した内閣府の取組との関連を挙げ、試験的取組はランベス区において導入可能であると述べた。また現職職員が相互協力組織を設立する以外にも、元自治体職員がチャリティー団体を拠点に、専門家チームを形成することも可能と考えられる。しかし労働組合の代表は、現在自治体に雇用されている職員が本当に独立を望んでいるのか疑問を呈し、新しいタイプの事業所の導入に対しては組合は反対の立場を取ることを示唆した。
*参照LGC 21.10.2010, p. 4-5


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