調査・研究

英国の地方自治情報メモ

英国

コミュニティー予算の試験的導入が発表

2010年10月22日 

政府は10月22日、「トータル・プレース(Total Place。地域総合予算)」の後継となる施策として、予算を1カ所にプールし、地方自治体が社会的課題解決のための地域支出により大きな権限を持てるようになる試験的枠組みを発表した。
本日、包括的支出見直し(Spending Review) の一環として、16の指定地域において、中央政府から強制されることなく、地域における予算を直接管理できるようになった。来年4月より、第一次指定地域である31の地方自治体やそのパートナー団体を含む16の各地域で、「コミュニティー予算」を管理することになる。このコミュニティー予算は、様々な中央省庁からの補助金を、単一の「地域指定口座」に集め、複雑な問題を抱える家庭に関する社会問題に取り組むための財源となる。
閣僚会議では、緊縮財政の中でも、地域の鍵となる優先課題を解決するための支出については、コミュニティにより多くの権限を委譲することが決定されている。 コミュニティは、限られた財源を確実によりよく利用していることについて、説明責任を自治体に求めることができるようになる。
現在は、様々な問題を抱える約12万世帯のために、年間約80億ポンドが支出されているが、これらは何百もの異なる事業や省庁・政府関係機関を通じてのみ地域に流されている。このような投資にも関わらず、家庭に関する様々な課題は解決されていない。行政サービスが連携し、問題に早期に関わることで、家庭が自らの生活を好転させる機会が与えられるようになることが必要である。また、この統合された早期介入手法は、行政コストを削減することもできる。
コミュニティー予算は、政府は2013-2014予算年度までに全国的に展開することを予定しており、地方自治体とそのパートナーは、各家庭が抱える諸問題の解決のための財源を一元管理し、地域の問題を地域で解決できるようになる。
試験的な試みがなされる16地域は、以下のとおりである。
グレーター・マンチェスター、レスターシャー、クロイドン、ブラックプール、イズリントン、ハル、ケント、ブラックバーン・ダーウェン、ブラッドフォード、スウィンドン、バーネット、ルイシャム、エセックス、リンカーンシャー、バーミンガム、および4区合同によるロンドン区グループ(ウェストミンスター区、ケンジントン・チェルシー区、ハマースミス・フルハム区、ワンズワース区)

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