カテゴリー別アーカイブ: 調査・研究


ロンドン東部における文化・教育・ファッション(スポーツ以外)のレガシー

2019年03月14日 

現在、2012年のロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会(以下「ロンドン大会」という)が開催されたクイーン・エリザベス・オリンピック・パーク(以下「パーク」という)内の二つの敷地で、同大会のレガシーの一部として文化・教育地区(以下「文教地区」という)の開発が進行中だ。

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大気汚染改善のための公共交通「モデル都市」の取り組み

2018年11月13日 

2017 年2 月15 日に欧州委員会は、二酸化窒素(NO2)の大気汚染基準に対する違反が継続しているとして、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、イギリスに対し、最終警告を通知した。ドイツにおいては28 都市ゾーンの中でEU 大気質指令のNO2 の基準をはるかに超えているが、かなりの部分は道路交通部門に起因しているため、都市交通が対策対象となっている。

 

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ケンブリッジ=ミルトン・キーンズ=オックスフォード成長回廊

2018年10月23日 

ケンブリッジ(Cambridge)=ミルトン・キーンズ(Milton Keynes)=オックスフォード(Oxford)成長回廊(略して“CaMKOx”又は“CamOx”と呼ばれる。)は、世界的に著名な大学都市「オックスフォード」と「ケンブリッジ」を結ぶ経済地理学上の重要エリア(活動地域)における国と地方自治体の長期戦略に与えられた名称だ。

 

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CLAIRメールマガジンvol.214(2018年10月12日)=ロンドンにおけるフードロス削減の取り組み

2018年10月16日 

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ロンドンにおけるフードロス削減の取り組み
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9月2日~4日にかけて、ロンドンのオリンピアにてイギリス最大級のフード
フェア「SPECIALITY & FINE FOOD FAIR 2018」(※1)が開催され、ヨーロッパ
各国のほか、ブラジルや中国など世界中から700を超える出展者が集まり、大変
な賑わいを見せていました。一方で、こうした大規模なフードフェアでは大量の
フードロス(本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品)が出てしまう
恐れがあります。今回は、「SPECIALITY & FINE FOOD FAIR 2018」のパートナー
でもあり、ロンドンのフードロス削減に取り組むCity Harvest London(※2)に
ついてご紹介したいと思います。

政府や企業などと資源効率の改善に取り組んでいるWRAP (Waste and Resources
Action Programme) の報告(※3)によると、英国では年間1,000万トンもの食品
廃棄物が出ていますが、そのうち60%は避けることができたものとされています。
ロンドンでは何千人もの人々が飢えに直面していると言われる一方、多くのまだ
食べられる食品がごみとして処分されてしまっています。こうした事態に対し、
City Harvest Londonは、レストラン、食品スーパー、食品メーカー、ホテル、
ケータリング業者などから廃棄される前の安全で健康に良い食品を収集し、ホー
ムレスの避難所やアルコール依存症・麻薬中毒の支援施設、アフタースクールな
ど230もの組織に提供しています。その量は週に25トンにも上り、これまでに290
万食分が提要され、金額にすると370万ポンド分に相当するとのことです。

他にも、このサービスは、食品リサイクルによる有害ガスの排出削減や食品廃棄
コストの削減といった経済面や環境面にも利益をもたらします。しかし、本当に
重要なことは、品質の高い食事をすることで、飢えた人々が尊厳を取り戻し、困
難な時期を乗り越える力を得るようになるということ、健康面だけでなく精神面
にも良い影響を及ぼすことだと彼らは考えています。

(※1) https://www.specialityandfinefoodfairs.co.uk/
(※2) http://www.cityharvest.org.uk/
(※3) http://www.wrap.org.uk/sites/files/wrap/Estimates_%20in_the_UK_Jan17.pdf

ロンドン事務所 所長補佐 富田


CLAIRメールマガジンvol.212(2018年9月14日)=ウィンドラッシュ世代

2018年09月19日 

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【ロンドン事務所】ウィンドラッシュ世代
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「ウィンドラッシュ世代」とは、今では英連邦加盟国(Commonwealth of Nations)
となったジャマイカやカリブ海地域から英国に移住した移民やその子供たちを
指します。彼らは1948年から1970年代にかけて、第二次大戦後の英国の労働力
不足を補うため、英国政府によって招き入れられ、社会復興に貢献してきた人
々です。彼らが英国に旅立つために乗船したエンパイア・ウィンドラッシュ号
にちなみウィンドラッシュ世代と呼ばれるようになりました。

このウィンドラッシュ世代が、奇しくも彼らの初上陸から70周年にあたる今年、
英国のマスメディアで大きく取り上げられています。

事の発端は2014年の改正移民法で、政府による不法滞在者取締り強化の一環に
より、移民に対し国籍証明書や永住許可証などの正式書類の提出が求められた
ことから始まりました。というのも当時ウインドラッシュ世代の親と共に渡英
した子どもの多くは旅券やビザなど公的書類を持たずに入国したため、今とな
っては合法的に居住していることを証明するのが難しい状況にあります。

さらに今年になり、1971年制定の移民法により彼らが永住権を与えられた際の
記録を内務省が紛失するという政府の重大ミスが発覚しました。

改正移民法案により就労や社会保障の受給時に身分を証明する書類が必要にな
ったことで、ウィンドラッシュ世代は不法滞在の扱いを受け、中には強制退去
させられた人々もいます。

このことに対し、概ねマスコミは英国社会の発展に貢献してきたウィンドラッ
シュ世代を同情的に報じ、さらには国の責任を問われたアンバー・ラッド内務
大臣が辞任する顛末となりました。

移民の先駆けとなったウィンドラッシュ世代は、様々な人種差別に遭いながら
も今日の英国の繁栄に貢献してきた存在として広く認識されており、今回の不
当な扱いが人々の高い関心を集めています。

ロンドン事務所 所長補佐 山口


ドイツの「欧州大都市圏リージョン」(Europäische Metropolregion)の現状

2018年08月21日 

 ドイツにおいては、「欧州大都市圏リージョン」(ドイツ語:Europäische Metropolregion)として指定されている地域が存在する。場合によってかなり広域的な地域であるが、これらは空間整備を担当する州大臣が非定期的に集会する「空間整備州担当相会議、Ministerkonferenz für Raumordnung (MKRO)」において1995年、1997年または2005年に指定されたものである。欧州または世界規模で見れば、ドイツの全国都市構造は多極中心型であり、多くの国に見られるような他の都市より規模の大きい都市(首都)を中心とする単一中心型の都市構造とは異なる。90年代からは、「大都市」または「大都市を含む広域圏」いわゆる大都市圏リージョンが注目を浴びるようになった。

 

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Shall wi dansu? Nein! ―欧州のナイトタイムエコノミーと税金問題―

2018年05月15日 

 もはや一大産業となったナイトタイムエコノミー(夜間経済)は、昼間の経済活動にも影響を与えている。欧州諸都市の関係者や政策担当者らは誘客や投資誘致以外の点でもナイトタイムエコノミーに関心を寄せている。いわゆる「ナイトメイヤー(Night Mayor・夜の市長)」が近年注目され、アムステルダムを皮切りに幾つかの都市で導入されたが、そこから焦点は、行政にとってとりわけ重要で差し迫った「税金」問題に移行している。

 

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UCLセミナー「日本の災害研究の現在-2011年を経て」

2017年06月09日 

2011年東日本大震災以後の日本の災害研究の現状について、UCLリスク災害研究所の研究者及び日本から招いた研究者に紹介していただき、国際防災について議論します。
一般公開、入場無料。

日時:2017年6月23日(金)9:30~13:15(受付9:00~)
場所:University College London,Roberts Building 106 (Gower Street, London WC1E 6BT)

プログラム:

編集
09:00-09:30 受付
09:30-09:45 挨拶 IRDR Director, Prof. Peter Sammonds
09:45-10:15 基調講演

“Science for the Sendai Framework for Disaster Risk Reduction”

Professor Virginia Murray
10:15-11:30 パネルディスカッション

2011 EAST JAPAN EARTHQUAKE

パネリスト

Prof. Tiziana Rossetto (Engineering, UCL)

Prof. Osamu MURAO (Tohoku University)

Prof. Shigeo TATSUKI (Doshisha University)

Dr. Naoya SEKIYA (The University of Tokyo)

11:30-12:00 休憩
12:00-13:15 特別パネル

DISASTER RESEARCH SPECIFIC ISSUES

パネリスト

Prof. Peter Sammonds (IRDR, UCL)

Dr. Prof. Hideyuki SHIROSHITA (Kansai University)

Dr. Prof. Namiko MINAI (Tokyo Woman’s University)

Dr. Prof. Shohei BENIYA (University of Hyogo)

司会

Prof. David Alexander, UCL

Prof. Kenji Koshiyama, Kansai University

pdfUCL-IRDR Seminar 2017

【お問合せ】
Dr Kenji Koshiyama
メール:k.koshiyama@ucl.ac.uk


コペンハーゲン市がタブレットPC付レンタル自転車システムを導入

2013年10月30日 

コペンハーゲン市交通局は、2013年8月16日に、タブレットPC付自転車を導入した新しいレンタル自転車システム「gobike(ゴーバイク)」を開始した。

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ハンドル部分に設置されているタブレットPCにはGPSが搭載されており、タブレットPC上では、以下の機能が利用できる。 ・目的地までのルート検索、ナビゲーションシステム ・公共交通機関の時刻検索 ・現地のイベント情報の検索 ・利用可能なレンタル自転車及びステーション情報の検索 ・その他関連情報の検索 また、携帯電話から専用アプリケーションにアクセスし、利用可能なレンタル自転車を検索し、予約することもできる。 コペンハーゲン市は、1995年から公共レンタル自転車システムを導入し、市内約110のステーションに約2,000台のレンタル自転車を設置していたが、市民や観光客にとって、より便利で利用しやすいものにするため、2012年末に新システムの導入を決定した。 2013年秋には、65のステーションに250台の自転車を配置し、2014年春までには1,260台まで拡大する予定。電動自転車の導入も順次行う。利用料金は、1時間20DKr(デンマーク・クローネ、約360円(10月現在))。

<参考資料>
・「gobike」公式ウェブサイト(英語) http://gobike.com/
・オランダ自転車協議会(FIETSBERAAD)ウェブサイト(英語) http://www.fietsberaad.nl/index.cfm?lang=en§ion=nieuws&mode=newsArticle&newsYear=2013&repository=Copenhagen+introduces+rental+bikes+with+tablets

<参考情報> コペンハーゲン市 人口559,440人(2013年、コペンハーゲン市統計より)


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