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CLAIRメールマガジン vol.275(2021年6月11日)=ダイバーシティ推進に取り組む目的は?

2021年06月11日 

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【ロンドン事務所】ダイバーシティ推進に取り組む目的は?
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英国で5月6日に実施された統一地方選挙の結果、リバプール市では、ジョアンヌ・アンダーソン氏が英
国の主要都市を率いる初の黒人女性市長となりました。ダイバーシティの重要性が浸透している英国では、
自治体の幹部職員を見ても、多様なメンバーが選ばれていると感じます。
英国では、なぜダイバーシティが重要視されているのでしょうか?

自治体の例として、ロンドンのハロー区では、平等やダイバーシティを重んじる目的として、「職員一
人ひとりが価値を認められ尊重される、コミュニティの多様性を反映した、誰もが受け入れられる職場環
境」「コミュニティへの理解を深め、すべての人にとって公平、公正で利用しやすいサービスを提供し、
不平等を是正すること」「区内の多様性を促進し称えることで、コミュニティの結束力を高めること」の
3つを挙げています。
また、ビジネスの現場では、創造性やイノベーションの増大、問題解決や意思決定の改善とこれらによる
利益の増加、従業員のモチベーションの向上、ダイバーシティへの配慮が企業評価に直結する点など、ダ
イバーシティに取り組むことによるポジティブな効果が重要視されています。

英国でのダイバーシティ推進には、平等法も大きく影響しています。平等法は、年齢、障害、性適合、
婚姻および同性婚、妊娠および出産・育児、人種、宗教または信条、性別、性的指向による直接差別(直
接不利益な取り扱いをすること)と間接差別(差別的な規定、基準や慣行を適用すること)を明確に禁止
する法律で、政府や自治体、企業はこの法律に基づいて、全ての人を差別なく扱うことが義務付けられて
います。英国内で差別や偏見が全くないとは言えませんが、少なくとも「誰もが平等に扱われなくてはな
らない」という認識は共有されているように思われます。
さらに詳しい内容はこちらをご覧ください。
https://www.jlgc.org.uk/jp/ad_report/diversity/

ロンドン事務所所長補佐 金子

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