カテゴリー別アーカイブ: スウェーデンの地方自治情報メモ

子供の負債を防止するためには新しい法律が必要

2009年03月12日 

 より良い法律の制定によって、コミューンおよびランスティングへの支払い義務を、青少年ではなく両親に肩代わりさせることができるようにすべきである。
 SKLは、コンピューター監督局からのレポートでそう主張している。
 レポートは、債務が発生した時点で未成年だった人に対する現在続行中の支払い要求の案件が、79,500件余りもあることを示している。公共部門での貸付金には、予約無断キャンセル時に課される医療費、公共交通機関での罰金、返済されない図書館の書籍などがある。
 「現行の法律では、支払い義務が子供たちに課されることとなるため、子供たちが負債を負うリスクがあります。私たちは、両親がその子供たちの支払い義務を負うようにするために法律を改正することが望ましいと思っています」とSKLの法律担当、オロフ・モーベリィは述べる。
 詳細はこちら(スウェーデン語)http://www.skl.se/artikel.asp?A=55698&C=2977

*英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年12月02日発行分)


(国は)コミューンおよびランスティングに投資せよ

2009年03月12日 

 「現時点で未だにコミューン部門への資金配分が含まれていないことは残念です。政府からの地方自治体経済活性化措置についての返答を期待しています」政府の経済活性化パッケージについて、スウェーデン・コミューンおよびランスティング連合議長アンダーシュ・クナーペは、このように述べた。
 来年中には、ランスティングの半数が活動の低減を余儀なくされる。またそれはコミューンの多くにも当てはまり、すでに今年中に60余のコミューンは赤字決算を予想している。
 コミューンおよびランスティング内での就業率を維持するために特段の経済活性化対策が必要である。
 政府は、職業紹介所、職業教育、ROT税金控除の施行(持ち家およびマンション修理経費に対する税金控除制度、費用の50%を控除できる)、インフラストラクチャーへの特別な資金配分を決定している。
 詳細はこちら(スウェーデン語)http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977

*英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年12月09日発行分)


憲法による自治体自治権の大きな前進

2009年03月12日 

 SKLは、自治体の自治権の強化についての憲法調査会の提案を歓迎する。
 「(提案は)良い仕事をするための地方自治体部門の権限の拡大に重要な意味を持つ大きな前進です」とSKLの議長、アンダーシュ・クナーペは述べる。
 今日、発表される憲法調査会の提案によると地方自治体部門の地位について、憲法に特別の独立した章を与えられる。
 「これは、スウェーデンの民主主義に地方自治体の自治権が特別な意味を持つ事を非常に明確に意思表示したものです」とアンダーシュ・クナーペは述べる。
 調査会は、また自治権への不必要な侵害を不可能にする「均衡原則」の導入を提案している。政府はそれぞれの法案における自治体の独立決定権への侵害の程度が、達成したい目的に照らして妥当であるか否かの判断をしなくてはならない。さらにその後、立法委員会(www.lagradet.se)が最終的な監督機関の機能を果たす。
 「これは、自治権への制限の妥当性について検討する機関が2つあることを意味し、良いことです。このような「均衡原則」を私たちは長い間申し立ててきたのです」とアンダーシュ・クナーペは話す。
 「またそのような手順は、政府と自治体間における良く機能する正式な協議システムを前提としており、SKLはそれも求めてきました。継続的な対話は、政府と自治体部門の間での良い協力関係の最良の基盤です」
 憲法調査会は、また現在の自治体の税システムが憲法に反するものではないことを確保するため、このシステムを憲法に含める可能性も提案している。さらにコミューン法の幾つかの変更が提案されている。そのような提案の中には、コミューンが例外的な状況時においては選挙の実施を可能にすること、およびコミューンで住民投票を求める市民の権限を強化することが含まれている。

* SKLとは、英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年12月22日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


「沿岸の土地」(建築許可)を過疎地の誘致対策にせよ

2009年03月12日 

 過疎地のコミューンにはその沿岸の土地を競争上の強みとなるように利用できるようにさせよ。全国の多くの地域には、アウトドア活動や野生動植物に害を与えずに建築開発が可能である長い岸(湖岸/海岸)がある。
 SKL議長、アンダーシュ・クナーペは討論記事にこのように書いている。
 環境省は、過疎地ではより建て易く、過密地では建てにくくなるようになる良い提案を作成している。
 コミューンは、この提案を歓迎しており、従ってその方向に従った法案が提出されることを期待している。私たちは新しい沿岸保護規定を100%サポートする、とアンダーシュ・クナーペは書いている。
 現行のシステムは、非効率的で一貫性がなく、不明瞭である。現在、利害の対立による数百件もの沿岸保護の(裁判)案件が全国各地で進行中である。しかもそれらの最終判断が、合理的に決まるのかまたは行き当たりばったりなものになってしまうのかも判断しにくい状況にある。

*SKLとは、英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年1月13日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


リージョンに関する報告書

2009年03月12日 

 政府により任命された国会の委員会(Ansvarskommitténs)のリージョンに関する報告書につき、SALARが下記のとおり説明している。

1.地方の競争力がより重要になる。長期的な成長率および福祉を確保するためには、国際的な競争に勝たなくてはならない。専門化への要求は、「地理的近さ」に基づいた協力を促し、競争は今日、地方単位であることが特徴となっている。地方レベルでは企業、下請け、コミューン、リージョン、大学、研究機関がしばしば様々な業界の集合地点になっている。しかし地方の成長のための前提条件は全国で格差があり、優先的に必要とされるのは政治的な決定である。そのため、独自のリージョンの知識に基づいてそれらの意思決定をするのは選任された代表者であるべきだ。

2.労働市場としての地方は拡大している。すなわち労働市場の地理範囲は継続的に拡大している。30年間に労働市場として自然に機能する地域は、200から80地域に減少した。さらに20年後には、50地域以下となる。このような展開は、より専門化する労働市場に起因するものだがそれを円滑に促すためには、より開発された交通インフラストラクチャーおよび機能する公共交通システムが必要とされる。これに関連して最良の優先順位づけ・選択を行い、地方の前提条件を利用するためには、地方(リージョン)レベルでの議員による大きな影響力が必要である。

3. 健康および医療ケア分野での開発は、益々迅速になっている。治療可能な病気の種類が日々多くなっている。そのことは、特に市民の意識が高くなり、治療形態への要求が高くなるにつれまた(医療が)高価になることでもある。これらのチャレンジに対処するためには、より大規模な患者基盤と、より大きな経済基盤が必要となる。同時に非中央化した政治的責任分担を保護することも重要で、特に異なる責任組織の間での競争は(医療)活動の開発を促進する。私たちのグローバルな競争力、またそれに伴う私たちの福祉を保持、強化し、同時に市民に平等で最良の質を持つ健康および医療ケアを提供するために社会組織を対応させる方法を見つけ出さなくてはならない。
 委員会の提案は、スウェーデンをリージョンに分割し、そこで信任選出された議員が健康および医療ケアや地方の開発問題の意思決定を行うことである。スウェーデンのコミューンおよびランスティングもそれに賛同している。

【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年1月20日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


全ての(自治体の)アジェンダである国際的な協力

2009年03月12日 

 全てのコミューン、ランスティング、リージョンは、何らかの形での国際的な活動を行っていることを SKLによる新しいアンケート調査が示している。
 半数余りのコミューン、ランスティング、リージョンは、国際的活動のための文書化されたストラテジーを作成している。
 「他国との協力は、活動が最良な形で開発されるために重要なことです。ですから、アンケート調査に参加した全ての組合員の全てが国際活動に携わっていることは喜ばしいことです」とSKL議長、アンダーシュ・クナーペは述べている。
 組合員の間で最も一般的な活動は、海外視察またはその受入れである。10に8のコミューンが視察を受け入れており、10に7は視察旅行を実施している。ランスティングおよびリージョンでは、90%が視察を送りまた受入れている。視察の大多数の行き先はブラッセルである。アンケート調査の返答の半数は、EUに国際活動の焦点を当てている。しかし、多くが他の国際活動もEUと同様に重要であると考えている。
 例えば「最高60%に及ぶ(地方自治体の)活動が、EU決定に影響されるなど、EUの決定が組合員の活動の非常に大きな部分に影響を与えていることを承知しています。そのためそこ(EU)で何が起こっているかに大きな注意をはらうことは重要でありまた適切なことです」
 多くの組合員は、特に北欧およびバルト海周辺地域での姉妹都市との協力を行っている。バルト海周辺地域問題、エネルギー政策、青少年に関する問題が組合員の参加する国際的ネットワークの活動の大きな部分を占めている。
 調査は、またコミューン、ランスティング、リージョンの半数以上が国際活動のための文書化されたストラテジーを作成していることを示しており、さらにストラテジーを持つ組合員が最も活発である。またコミューンの大きさにもより、大きなコミューンは小さなコミューンより活発である。しかし、組合員の間には議会の過半数を占める政党によっての明らかな違いは見られない。
 調査の返答は、国際活動を行う組合員の最も一般的な理由が能力開発および産業開発であることを示している。
 アンケートは国際活動担当の職員によって返答された。

*SKLとは、英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年1月20日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


スウェーデン人たちは学校に満足

2009年01月15日 

 スウェーデンでは、今年は昨年度と比べて基礎学校の満足度が上がっている。スウェーデンのクオリティ指数(http://www.kvalitetsindex.se、参照)の調査はこのような数値を示している。
 コミューンの活動に対する総合的な市民満足度は昨年度とおなじレベルである。同時に政府部門の活動への期待は高まっている。市民満足度は、0–100の指数で示される。2007年度以降、プリスクール、基礎学校、高等学校の満足度どれもが向上しているが、最も向上したのは、基礎学校で65.5から68.2に上昇した。
 「もちろん喜ばしい事で、この一年学校に関する討論が深まり、情報が良く広まっている証かもしれません」とスウェーデン・コミューンおよびランスティング連合(SKL)(*)の会長、ホーカン・ソルマンは述べた。
 その反面、高齢者用住居に対する満足度は昨年度より低下している。
 「私たちはこれを反省し、何が原因であるかを考えなくてはなりません。逆説的ですが高齢者住居に対する信頼度の方はわずかに向上しているのです」とホーカン・ソルマンは述べた。

*英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年11月18日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55698&C=2977(スウェーデン語)


健康および介護の分野でスウェーデンはこのようにリードする

2009年01月15日 

 健康および介護の分野での起業家精神を増加させることがサービスを効率化し、開発する革新的なソリューションに寄与するだろう。
 政府は、SKL(*)、Almega  (http://www.almega.se参照、Svenskt Näringsliv、スウェーデンの企業連合下のサービス業界企業組織)及び社会省との協議を踏まえてNutek(産業開発に関する政府機関、http://www.nutek.se/sb/d/113、参照)が作成した健康および介護の分野における起業家精神の発揮についての長期アクションプランに関する提案を受け取った。健康およびケアの分野には強い変革へのプレッシャーが存在し、それを満たすためには効率化の向上が要求される。効率化の向上は、顧客および患者の満足度の向上とも切り離せない。例えば、患者のニーズを起点にケアを組織することによって経済的な効率性を向上させると同時に治療にかかる時間を短縮することもできる。SKLの会長、ホーカン・ソルマン、Nutekの副長官、スタファン・ラーションおよびAlmegaの産業政策部長、ウルフ・リンドベリィは、火曜日の討論記事においてこのように述べている。

* 英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年11月11日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


研究・革新法案を発表

2009年01月15日 

 2008年10月23日に政府は、研究・革新法案(Research and Innovation Bill)を発表した。これは、各選挙期間ごとに発表され、今後4年間に政府が資金提供する研究の枠組みを設定するものである。
 2009年~2012年をカバーする今回の研究・革新法案においては、資金の追加額が、これまでをはるかに上回る50億SEK(スウェーデン・クローネ)となっている。
 法案の主な内容(50億SEKの内訳)は次のとおりである。

①大学や高等教育機関への配分額の増加
 追加資金のうち、最も多くが大学やその他高等教育機関に割り当てられる。既存の政府資金に加え、新たに15億500万SEKが追加で提供される。また、この追加資金は、大学及び高等研究機関の質に対する評価に基づき配分される。ここでいう質の評価の基準は、大学及び高等研究機関が外部資金を呼び込む能力、出版された学術記事の量及び質、という2つの要素から構成されるものである。

②戦略的投資
 第2次大戦以降、政府が支援を行う基礎研究は、①大学への直接配分、②研究会議(research councils)を通じた配分、という2つの方法により資金提供が行われてきた。
 今回、戦略的投資と呼ばれる新たな第3の資金提供方法が導入される。戦略的に投資することが必要な重要分野(医薬、テクノロジー、気候)に対し、18億SEKの追加資金が割り当てられる。
※なお、政府は、今回の追加資金により、公的セクターによる研究に関する資金援助額の総計は、GDPの1%に相当するものと試算している。

【出典】
・Embassy of Sweden (http://www.swedenabroad.com/News____4847.aspx?slaveid=81542)
・スウェーデン教育・研究省のウェブサイト(http://www.sweden.gov.se/sb/d/6949/a/115809)


脅かされるコミューンの土地計画

2008年11月25日 

 環境プロセス調査会は、現在コミューンに対して許可申請義務のある風力発電施設のための「土地利用および建設計画」に準拠する建築許可および詳細計画を廃止することを提案している。
 「これは本当にひどい提案です。風力発電は重要だが、建築許可制度を全く廃止してしまうことは、途方もない結果を招くことになります。コミューンは、土地を何のために使用するかを計画し、コミューンの境界線内でどのような種類の活動が行われるべきかに対する決定をできなくてはなりません」とSKL(*)議長、アンダーシュ・クナーペは述べる。
 
詳細はこちら(スウェーデン語)http://www.skl.se/artikel.asp?A=55243&C=2977
*英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年10月7日発行分)


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