カテゴリー別アーカイブ: オーストリア

オーストリアの医療制度改革

2008年09月04日 

・6月4日、オーストリア政府は医療保険制度の改革案を発表した。将来的にオーストリアの保険制度には今まで以上の支出が見込まれるため、現行の医療保険制度の効率化が主な目的となっている。
・現行のオーストリアの医療制度では、医院は総合病院、専門各科医、救急外来、薬局に分かれており、各医院は公立と個人の経営形態があり、各医師は医療保険と契約することが可能であるが、医療保険と契約していないプライベートの医院では医療保険は適用されない。
・今回の政府案による医療改革では、公立病院のベッド数などを定めた規定「病院及び設備計画」、更には医療保険制度そのものも見直しの対象となっており、現行のプライベートによる診療が留保される、医療保険との契約制度の内容が変更されることなどが計画されている。

【出典】
(オーストリア連邦政府)http://www.bka.gv.at/site/infodate__09.06.2008/5923/default.aspx#id30319
(在米国オーストリア大使館)
http://www.austria.org/content/view/90/104/1/4/

・この医療制度改革案に対して、反対する医師会が主導し、6月16日にオーストリア全土で医師によるストライキが実施された。
・合計15,000人の開業医が診療所を閉鎖したが、薬局や公営病院、救急医療施設はストライキの対象外であり、また事前に多くの報道がされていたため、大きな混乱はなかった。また、6月26日、27日の両日も引き続きストライキが行われている。

【出典】
(在墺日本国大使館)http://www.at.emb-japan.go.jp/consulate/m-magagine/m-magazine%20no12.htm#merumaga%202008-7-1


排出ガス削減対策について

2008年06月09日 

・2008年3月、会計検査院と連邦環境局が、オーストリアの環境政策への取組についてのレポートを発表した。当レポートによれば、京都議定書によりオーストリアは2012年までに、温室効果ガス排出量を1990年比の13%を削減して6,880万トンとしなければならない。しかし2006年時点で排出量は逆に増加しており、このままでは目標が達成できないばかりか、EUから制裁金(1トンあたり最高100ユーロ)を課せられることになる。
・当レポートを受け開催された、第2回連邦環境保護サミット(オーストリアの国内の会議)の席上にて、グーゼンバウアー首相はこれまでのオーストリアの環境政策が失敗していたことを認め、新たに2020年度までを見据えた長期の「エネルギー及び環境マスタープラン」を今年中に発表すると述べた。さらに、これまでの削減方法は各州の自主性に任せたものであったが、今後は、政府が新たなトップダウン方式の枠組みを、環境保護法の中で示す予定と述べた。
・環境省が2009年までに施行したいとしている同法は、排出ガス削減について、各省、各州の「負担分担」方式とする予定。法律が施行されれば、各省及び各州が各自の目標について合意し、取り組むことになる。ヨーロッパの中では、こうした国内での負担分担方法は珍しい。

【出典】(上から)
「The Umweltbundesamt」(環境保護と環境コントロールに関するオーストリア連邦政府のexpert authority)ウェブサイト
http://www.umweltbundesamt.at/en/umweltschutz/klima
オーストリア連邦政府
http://www.bka.gv.at/site/infodate_28.04.2008/5923/default.asp♯id29579
ニュースヨーロッパ
http:/www.neurope.eu/articles/86020.php


減税の動きについて

2008年03月10日 

(背景及び経緯)
・オーストリアでは、所得税による税収は州72%、連邦政府15%、市町村13%の割合で配分されている。
・2005年の改正で、所得税の控除を増やし、法人税率と所得税率の引き下げを行った。

(今般の改正の動き)
・2010年に予定されていた税率改正を前倒し、2009年1月から実施する方針を示した。
・内容は、さらなる所得税の減税。所得税の扶養家族及び子女扶養控除額を増やし、全体で30億ユーロの減税を検討中。
・理由は、サブプライム問題等による世界経済の成長が鈍化する一方で、国内ではインフレが続いており、国内GDP成長率が上昇しているにもかかわらず、実所得が減少しているため。

【出典】
オーストリア連邦政府サイトの連邦報道庁ウェブサイト
http://www.bka.gv.at/site/infodate__03.03.2008/5923/default.aspx#id28300

【参考】
JETRO オーストリアの経済統計
http://www.jetro.go.jp/biz/world/europe/at/stat_01/
オーストリア財務省 オーストリアの税制
http://english.bmf.gv.at/tax/_start.htm


国民年金の額を増額

2007年12月11日 

・2008年からオーストリア国民の年金額が増加されることになった。
・単身者が受給できる基礎年金額は2.9%増額され、一ヶ月あたりで747ユーロとなる。これは消費者物価の増加を差し引いても増額となっており、基礎年金額については毎年見直しが行われる。
・これらの年金について首相は、社会のメンバーは、平等に豊かさを享受できるべきであり「社会的に非常にバランスが取れた」政策だと述べている。

【出典】
オーストリア連邦政府サイトの連邦報道庁http://www.austria.gv.at/site/infodate__19.11.2007/5396/default.aspx#id25893



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