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オーストリア議会、エコ電気法と福祉基金に青信号

2011年08月17日 

オーストリア議会は夏季休会前の7月6日から8日の本会議で、改正エスニックグループ法のほか改正エコ電気法、長期社会福祉基金法及び長期福祉手当法を可決した。
 改正エコ電気法は基金積立額の上限を大きく増加させるもので、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電に当てられる積立金をこれまでの2,100万ユーロから5,000万ユーロまでに引き上げるものである。一方で、年間100万ユーロを取り崩し、2021年に4,000万ユーロになるまで認められた事業に充当する。これによりグリーン電気のための財源の年間総額は2011年の3億5,000万ユーロから2015年には5億5,000万ユーロとなる。ラインホルト・ミッターレーナー経済大臣は、このエコ電気法により、オーストリアは2015年までに原子力発電の輸入から脱却し、さらに電気を輸出するまでになるだろうと述べた。グリーンテクノロジーへの投資は約120億ユーロと見込まれ、2020年までには数千もの「グリーン雇用」も創出される。再生可能エネルギー(大規模水力発電を含む)がエネルギー消費全体に占める割合は現在の68%から85%に拡大する見込みだ。
 また、新しく適用される長期福祉基金法は、増加し続ける州の福祉サービス支出に対し財源措置するものである。予算の3分の2を連邦政府が負担し、3分の1を州が負担する。2011年において長期福祉基金予算は1億ユーロである。2014年までにはこれを6億8,500万ユーロとする。
 長期福祉手当改革法は福祉手当の事務を簡略化させるもので、約300ある手当ての管理・支給業務を行っている団体をわずか8つにまで減らし、州の福祉手当事務については連邦政府が責任を持つ。

【出典】オーストリア内務省ウェブサイト(2011年7月18日)
http://www.austria.gv.at/site/7459/default.aspx#id44368


排出ガス削減対策について

2008年06月09日 

・2008年3月、会計検査院と連邦環境局が、オーストリアの環境政策への取組についてのレポートを発表した。当レポートによれば、京都議定書によりオーストリアは2012年までに、温室効果ガス排出量を1990年比の13%を削減して6,880万トンとしなければならない。しかし2006年時点で排出量は逆に増加しており、このままでは目標が達成できないばかりか、EUから制裁金(1トンあたり最高100ユーロ)を課せられることになる。
・当レポートを受け開催された、第2回連邦環境保護サミット(オーストリアの国内の会議)の席上にて、グーゼンバウアー首相はこれまでのオーストリアの環境政策が失敗していたことを認め、新たに2020年度までを見据えた長期の「エネルギー及び環境マスタープラン」を今年中に発表すると述べた。さらに、これまでの削減方法は各州の自主性に任せたものであったが、今後は、政府が新たなトップダウン方式の枠組みを、環境保護法の中で示す予定と述べた。
・環境省が2009年までに施行したいとしている同法は、排出ガス削減について、各省、各州の「負担分担」方式とする予定。法律が施行されれば、各省及び各州が各自の目標について合意し、取り組むことになる。ヨーロッパの中では、こうした国内での負担分担方法は珍しい。

【出典】(上から)
「The Umweltbundesamt」(環境保護と環境コントロールに関するオーストリア連邦政府のexpert authority)ウェブサイト
http://www.umweltbundesamt.at/en/umweltschutz/klima
オーストリア連邦政府
http://www.bka.gv.at/site/infodate_28.04.2008/5923/default.asp♯id29579
ニュースヨーロッパ
http:/www.neurope.eu/articles/86020.php


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