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CLAIRメールマガジン vol.264(2020年12月11日)=ロンドン事務所ADレポートで、英国の今をお届けします!

2020年12月11日 

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【ロンドン事務所】英国の児童貧困と無償学校給食の取り組み
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世界屈指の経済大国である英国においても、実際には食糧面に不安を抱えている家庭が多いのが現状で、約840万人が
貧困の危機に瀕しているとされており、これはロンドンの人口と同程度です。
EVIDENCE AND NETWORK ON UK HOUSEHOLD FOOD INSECURITYの調査によれば、英国の成人の10%が「食糧調達に不安を抱え
る家庭(Food Insecure Households)」予備軍、他の成人10%と子供の19%は中程度もしくは重度の「食糧調達に不安を抱
える家庭」に所属しています。

貧困に瀕する子供を助けるため、イングランドでは無償学校給食(Free School Meal、以下FSM)の取り組みが行われ
ています。国から生活保護などの社会保障を受けている家庭の子供や、親・保護者に代わって国から直接社会保障を受け
ている子供が対象で、申請の処理やFSMの提供は自治体の責任で行われています。FSMにかかるコストは政府から各学校へ
の助成金によって賄われます。

英国政府は、2020年3月に始まった新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンの最中も貧困児童の救済のため
上記FSMを継続していましたが、7月で終了する予定でした。しかし22歳のプレミアリーグ選手のマーカス・ラッシュフォード氏
が6月に下院議員宛に書簡を送り、政府に方針の変更を訴え、FSMの継続を取り付けたことが英国では大きなニュースにな
りました。ラッシュフォード氏のおかげで、イングランドの130万人の子供が夏休み中も無料で給食を受け取ることができ
るようになったと報じられています。ラッシュフォード氏は10月に大英帝国勲章も授与されています。

英国では秋頃から新型コロナウイルスの第2波が押し寄せ、1日あたりの新規感染者数が1万人を超えている中、クリス
マス休暇もFSMを実施するべきだという声が高まっています。
(関連記事 https://www.jlgc.org.uk/jp/ad_report/free-school-lunch-in-uk/

ロンドン事務所所長補佐 阿部

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