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調査・研究

スピーカーシリーズ

Think Londonの活動と今後の対英投資促進について

2010年05月10日 

1 テーマ:「Think Londonの活動と今後の対英投資促進について」
2 日時:2010年4月28日(水)14:00~15:30
3 講師:Think London  中村 光宏様

概要は下記のとおりです。

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<Think Londonについて>
・Think Londonは海外直接投資を支援するロンドン市公認の非営利組織で、公共及び民間の両方から出資を受けた、日本の第三セクター的な存在である。ロンドン開発公社(London Development Agency)から委託を受け、ロンドンに進出する海外の企業、及び既にロンドンに進出済みで業務拡大を検討中の企業に対し、分野を問わず無償で支援を行っている。クライアントには、世界40カ国1500社以上の企業にサービスを提供した実績があり、世界的に有名な大企業も数多く含まれている。
・会計事務所、銀行、保険会社、ITサービスなど数多くのパートナーと連携関係を築き、日本語が通じる不動産業者を紹介してほしい、といった特殊な要望にも応えることが可能な体制を構築している。
・世界のエリアごとにチームを設けており、中村氏はアジア・太平洋チームに所属する日本企業専属の担当である。60名のスタッフを抱えるロンドンオフィスの他に、ニューヨーク、北京、サンフランシスコなどにもオフィスを構えている。

<海外直接投資の重要性>
ロンドンにおける海外直接投資は520億ポンドにのぼり、これはロンドン経済の27%を占め、ロンドン全体の13%に当たる50万人の雇用を創出している。また1998年から2004年のロンドンにおける経済成長のうち、42%は外資企業により創出されており、ロンドンの経済成長を支える大きな要因の一つとなっている。

<ロンドンの優位性>
2009年に行われた調査によると、ロンドンは20年連続ヨーロッパで最もビジネスを展開しやすい都市に選ばれている。これは、ヨーロッパの他都市へのアクセスが容易であること、人材が豊富であること、通信が整備されていることなどが理由である。また、国際線のフライトが充実していること、約5億人の人口を擁し世界最大の市場であるEUの玄関口であること、規制が少なく海外の企業を受け入れやすいことも利点である。

<Think Londonの活動>
・公共機関と連携した、企業の進出情報の入手。具体的な段階ではないが海外進出を検討している日本企業に対するセールス。
・ロンドンの市場調査や他都市との比較を踏まえた情報提供。
・レセプションを通したネットワーク作りの支援。
・ビザ取得や住宅など駐在員の生活面における一般的な情報提供。
・事業展開に向けた活動を行う企業向けに、都心(シティ、メイフェア、ハマースミス)で事務所スペースを最大12カ月無償貸出。

<進出企業の傾向>
・業種ではICTが非常に多い。新規進出は比較的小さい企業の進出が多いため、雇用者数の増は既存企業の事業拡大による部分が大きい。
・アメリカからの進出が非常に多い。また、インド・中国が増加傾向である。日本は成熟している感じはあるが、今年1月から問い合わせが増加している。
・不況で中心部と郊外の価格差が縮小したため、ロンドン中心部への進出が増加している。今後は、東ロンドンへの誘致に尽力したい。

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