調査・研究

スウェーデンの地方自治情報メモ

スウェーデン

医療の質と効率の評価

2009年11月24日 

州議会医療委員会における新しい保健および医療の質と効率の評価結果
 
 本年度の医療における品質と効率の評価が完了した。例えば、乳癌やその他の癌における生存率は改善されている。脳卒中の死亡率は減少傾向、広域スペクトル抗生剤の処方箋発行数は減少し、受診などの医療資源や患者が受けている施療についても満足度は増加している。
 これらが、2009年度の報告書、”ありのままの比較 ― 各地州議会医療委員会の比較2009”における保健および医療の質と効率の評価結果である。本年度報告は、社会保健福祉委員会および地方自治体および州議会連合(SKL)が発行する第4版目に当たる。 

― 報告書の中で多くの項目に改善結果を見られることは大変喜ばしいことです。このことが、”ありのままの比較”報告の本来の狙いです。報告書は、医療の実情についての対話を創造し、保健および医療の改善を促進します。本報告書は、州議会医療委員会の指導部にとっては保健医療行政の現況を追跡し、改善・開発を図るための基盤です。患者達が診断結果に応じて医療施設(病院など)を選択出来ることは、医療選択権の思想が導入されて以来の大きな課題です。このようにホーカン・スールマンは語っている。
 報告書の図表には124項目の結果について各地州議会医療委員会のランク付けがされている。さらに報告書は、各病院のレベルについての資料の詳細を記載している。総括的な結論として、各州議会医療委員会はその活動を改善しつつあると言える。しかしながら、各州議会医療委員会のそれぞれの部門、および各州議会医療委員会間で結果に依然として大きな差がある。― すなわち、施療と手術、受診や施療までの待機時間、医薬品の処方箋発行、および医療資源の活用度などである。

― 保健および医療の現状は、数多くの改善事項を残しているものの正しい方向へ向かっています。今後、医療の質的改善推進作業の支援について大きな要請が州議会医療委員会からSKLに寄せられています。私達は、各医療分野における良質な医療について国家レベルの方向付けを確立し、さらにより多くの比較分析と、フォローアップ内容を綿密にする中でこの要望に応えるつもりです。各医療分野における不均衡は低減しなければなりません。 このように社会保健福祉委員会理事長、ラーシュ・エリック・ホルム氏は語っている。

【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年11月24日発行分)
注:スウェーデンでは、医療サービス提供の責任は、主としてランスティング(州)にあり、ランスティングがほぼ全ての医療サービスを提供している。

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