調査・研究

スウェーデンの地方自治情報メモ

スウェーデン

スウェーデンで子どもの貧困が増加

2011年02月01日 

スウェーデンで2008年、22万人の子どもたちが貧困家庭で生活していたことが、セイブ・ザ・チルドレン・スウェーデンのレポートで明らかになった。
貧困家庭で生活する子どもの割合は、2007年の10.9%から2008年には11.5%に増加し、調査の始まった1991年以来、最低の数字となった。「豊かな家庭はますます裕福になっている一方で、貧困家庭の状況は変わっていない」とセイブ・ザ・チルドレン・スウェーデンは述べている。スウェーデン人家庭と外国人家庭の両方で、2007年から2008年において、子どもの貧困が増加しているが、外国人家庭の子どもの貧困率(29.5%)は、スウェーデン人家庭の5倍以上であった。また、ひとり親家庭の子どもの貧困率は24.7%で、両親がいる家庭の子ども(8.1%)より、3倍以上も高かった。ひとり親家庭でその親が移民である家庭の子どもの貧困率は49%にのぼり、移民のひとり親家庭で生活する子どもの2人に1人が、貧しい生活していることになる。ストックホルム郊外の富裕層の多いタビー地区では、貧困家庭の子どもの割合が3%であったのに対し、マルモ地区では31%であった。セイブ・ザ・チルドレン・スウェーデンは、子どもの貧困は都市部で多く、富裕層の多い郊外では少ないとしている。
セイブ・ザ・チルドレン・スウェーデンは、国連の「子どもの権利条約」の加盟国として、スウェーデン政府に対策を講じるよう求めている。そして、スウェーデンが子どもの貧困問題に対して何もしないでいることは、子どもの権利条約第4条の違反であり、世界で裕福な国の一つとして、子どもの貧困撲滅のために、厳しい条件を自らに課し、取り組むべきであり、子どもの貧困問題解決のための資質をスウェーデンは持っていると述べている。

【出典】The Localのウェブサイト
http://www.thelocal.se/31762/20110201/

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