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オーストリア

連邦政府が予算案に合意

2010年11月15日 

 与党の社会民主党(SPO)と人民党(OVP)は、2010年10月22日、23日に温泉地ロワパースドーフの非公開会議をへて2011年予算について合意に達した。これに伴い、2014年までの予算基本計画、税制及び緊縮財政計画も同時に合意された。
 この中では、鉱油税(2011年増収額 4億1700万ユーロ)、タバコ税(同 1億ユーロ)の税率引き上げ、銀行税(同 5億ユーロ)、航空券税(同 6千万ユーロ)の導入、株式投資に係るキャピタルゲイン税(同 3千万ユーロ)、株式投機のブロッキング期間の廃止、及び各財団への課税強化(同 5千万ユーロ)が含まれている。
 これに加えて、年金について受給対象となる労働者や病気事由に関しての規制がより厳格化される。年金及び家族手当に係る歳出削減(2011年削減額 約2億5400万ユーロ)及び長期介護手当に係る歳出削減が計画されている。
 一方、1億ユーロ規模の温泉リハビリテーション施設への投資が行われるほか、大学(8千万ユーロ)及び学校(8千万ユーロ)への補助金が増額配分される。研究報奨金が8%から10%へ引き上げられ、これに1億ユーロの予算が充てられる。医療保険機構の構造基金には4千万ユーロが充てられる。また毎年、4億ユーロの予算が特別優先事業に充当されることとなった。

 会議後に予算の概要を発表した財務相及び財務副大臣は、今回の予算に満足していること、及び会議において建設的な議論ができたことを強調した。「今回の予算は、安定的な経済社会運営を保障するものであり、社会的に均衡のとれたものとなっている。我々は近年、予測よりも大きな財政赤字削減を達成しており、歳入増加の3分の2は家庭に負担増を求める一般国民向けの税からでなく、銀行や金融資産に起因するような仕組みとしている。」と財務相は強調している。財務副大臣も「公正な負担配分」であることをアピールした。この新しい予算は、財政赤字の罠からの脱却の起点となる。

 財務相によれば、2011年の総税収額は12億ユーロ(ここから通勤者、運送業者、債務者への還付金が支払われる)となる見込みである。税収は2014年までに22億ユーロへ増加することが予想されており、財政赤字は2011年の3.2%から継続的に減少して2014年には2.2%となると見込まれている。歳出は2011年に16億ユーロ削減され、2014年には33億ユーロ削減される計画となっている。

【出典】オーストリア内務省ウェブサイト
http://www.austria.gv.at/site/6892/default.aspx#id41359

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