調査・研究

EUの地方自治情報メモ

EU

欧州理事会をブリュッセルで開催

2008年11月25日 

 2008年10月15日、16日に欧州理事会(the European Council: EUの首脳会議)がブリュッセルで開催された。
 英国でも金融機関の破たん問題が地方自治体の運用資金の毀損にまで広がりを見せる状況にあり、今回のブリュッセルでの会議では目下の金融危機にいかに対処すべきかを中心に議論された。
 その中でメディアの注目を集めていたものは以下のとおり。

・英国などが実施した金融機関への救済策を評価。EUとしても金融機関安定のための施策を取っていく。
・「第2のブレトンウッズ体制」の構築を目指し、金融機関、市場への監視を強化する方向で国際金融システムの改革を提案。
・アメリカを始め先進国、新興国の首脳を集めての緊急経済サミットの開催を提案。
・イタリアやポーランドなどが、目下の金融危機を理由に、今年12月を期限としていたEUの環境施策(注)の合意締結の棚上げを提案。

しかし経済問題を理由に環境保護の取り組みを後退させる訳にはいかないとの意見が西欧諸国に強く、EUとしては当初の通り12月中の合意を目指すこととした。
(注)2020年までにEU(27カ国)全体で、①温室効果ガスの排出量を20%削減、②エネルギー生産のうち20%を再生可能エネルギーから生産、③効率性の向上によってエネルギー消費を20%削減、を達成するという目標を2007年3月に掲げていた。

【出典】
ブリュッセル会議・議長声明
http://www.consilium.europa.eu/ueDocs/cms_Data/docs/pressData/en/ec/103441.pdf
EUとしての金融危機への対処について(ガーディアン紙)
http://www.guardian.co.uk/business/2008/oct/16/europe-economy
EU環境政策の維持について(ガーディアン紙)
http://www.guardian.co.uk/environment/2008/oct/16/carbonemissions-climatechange

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