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欧州委員会、構造基金の使用状況を初めて評価

2010年05月01日 

 欧州委員会は3月31日、EU加盟各国による構造・結束基金の使用状況をまとめた報告書を発表した。合意済みの結束政策目標について、同委員会が各国の達成度を評価するのはこれが初めて。
 2007〜2013年分のうち、既に27%以上(930億ユーロ)が現地での約18カ月の申請期間を経て、具体的なプロジェクトに割り当てられた。これは2000〜2006年向けのプログラムが終了する中、経済危機・回復の観点から見ると肯定的な結果である。
 ただ27カ国の間で成績の差が激しいことも分かった。ベルギー、アイルランド、オランダなどEU予算の純支払い国が上位に付けたのに対し、ギリシャ、ルーマニア、スロバキア、ポーランド、ブルガリアは最も進展が遅れていた。
 研究・開発(R&D)、イノベーション、生涯学習・労働市場活性化政策、リスボン戦略で定義された成長と雇用のための政策上の優先課題といった重要分野では、全般的に進展が良好だった。しかし欧州委は、鉄道セクター、主要なエネルギー・環境投資、デジタル経済、社会的包摂(Social inclusion: 失業者、外国人、低所得者、ホームレス等社会から排除された人々を取り込む政策)支援の分野でプロジェクトの実施を加速するには、まだすべきことが沢山あると述べている。

【出典】
“New Commission report presents first assessment of roll-out of European cohesion policy”, European Commission Press Release, 31 March 2010
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/10/396&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en

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