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CLAIRメールマガジン vol.241(2019年12月13日)=英国総選挙の争点

2019年12月13日 

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【ロンドン事務所】英国総選挙の争点
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今や世界中で日々報道されている英国のEU離脱問題。渦中の英国では、12月
12日、解散総選挙が行われることとなりました。ボリス・ジョンソン首相は、
早期の総選挙を通じて与党の議席数を増やし、EU離脱計画をスムーズに進めた
いと考えていたところ、議会下院において、混沌とした現状を打破するため、
議会を解散し総選挙を実施する法案が可決されたためです。2015年に行われた
総選挙は5年に1度行われる通常のものでしたが、それ以降2017年と今回と二
度にわたり異例な総選挙が行われていることになります。

今回の選挙では、EU離脱のほかにも、医療、犯罪対策、教育など、各党が様
々な分野の政策を発表していますが、今回はやはりEU離脱が最大の争点となる
とみられています。この点について、英国の市場調査会社が有権者に対して実
施した調査によると、5つの項目(「EU離脱」、「国営医療制度(NHS)」、
「移民問題」、「犯罪対策」、「経済」)のうち、2016年の国民投票後最初に
行われた2017年の総選挙前においては、医療制度に関する政策が最大の関心事
となっていましたが、今回の調査では、最も多くの有権者が、EU離脱に関する
政策こそ大きな問題だと答えています。

しかし、議席獲得のため、EU離脱以外の重要政策分野においても主要政党に
よる舌戦が繰り広げられ、特にNHSに関する報道頻度や世間の関心には目を見
張るものがあります。

コービン党首率いる野党労働党は、政権を獲得した場合、2023-2024年度ま
でのNHS予算として260億ポンドの増額を掲げており、ジョンソン首相率いる
現政権より約55億ポンドも多く増額するとしています。この予算は、NHSで常
に大きな課題となっている医療機関での待ち時間短縮やメンタルヘルス分野
へ充てられると発言しています。

このメルマガの発信日(投票日翌日)には、おそらく全ての投票結果が出
そろっているでしょう。約4,600万人の有権者がどの党に投票するのか、
EU離脱を含めた英国の行く末がかかっています。

※参考記事
https://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-49826655
https://www.theguardian.com/politics/2019/nov/12/how-will-labour-put-an-extra-26bn-into-the-nhs-by-2024

ロンドン事務所 所長補佐 田島
(2019年11月28日執筆)

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