ロンドン中心部のオックスフォード・ストリートでは、大規模な歩行者天国化が計画されており、2025年9月21日には、一日限定で車両の交通を遮断し、市民に将来の姿を体験してもらうイベント「This is Oxford Street」が開催されました。当日は、Orchard StreetからOxford Circusまでの区間が正午から午後8時まで車両通行止めとなり、音楽ライブや飲食・ファッションのポップアップ、歴史展示など多彩な催しが展開されました。
オックスフォード・ストリートの歩行者天国化計画は、今回のイベント区間(約1.1キロメートル)の恒久的歩行者天国化を軸とし、さらに東方面へ拡張する可能性も検討されています。
この計画の背景には、パンデミックの影響やオンラインショッピングの台頭による実店舗の売上低迷に対する危機感や、まちの再活性化に向けた期待があり、グレーター・ロンドン・オーソリティ市長は、「世界クラスのアクセスしやすい歩行者専用道路を整備することで、国際的な訪問者を引き付け、新たな投資や雇用促進の呼び水とし、長きにわたる成長と経済的繁栄を推進していく」と述べています。
今回のイベントでは、歩行者数が前週比で45%増、駅利用者も25%増を記録し、参加店舗の67%が売上増を報告する一方で、一部の政治家やタクシー業界などからは、短期的な美観の向上と引き換えに、長期的な都市機能が損なわれるおそれがあるとの懸念も聞かれます。
この取り組みは、単なる交通規制ではなく、都市空間の価値を再設計し、まちに賑わいを呼び戻す挑戦と言えます。東京高速道路(KK線)の歩行者専用空間化など、日本の地方自治体でも類似の取り組みが聞かれる今、この計画がどのように展開されるのか目が離せません。
(ロンドン事務所 所長補佐 橋本)
【参考文献】
< https://www.bbc.co.uk/news/articles/czxwen9z5l0o >
< https://www.bbc.co.uk/news/articles/c9dxxn43zg5o >
< https://www.london.gov.uk/programmes-strategies/shaping-local-spaces/high-streets/oxford-street-transformation >
