2025年7月17日、英国政府は、次回の総選挙から選挙権年齢を18歳以上から16歳以上へ引き下げる方針を発表しました。すでにスコットランドとウェールズの地方選挙では16歳から投票ができますが、改正が実現すれば、国政(英国議会下院)選挙とイングランド地方選挙および北アイルランドのすべての選挙でも16歳から投票ができるようになります。
現在政権を担っている労働党は、前回2024年の国政選挙で選挙権年齢を16歳に引き下げることを公約に掲げていましたが、これを実現させることとなれば、1969年に21歳から18歳に引き下げて以来、最大規模の拡大として注目されています。
政府発表からは、英国政府が、この引き下げにより、英国全土での選挙権年齢の取扱いを統一して公平な選挙制度とすることを目指すとともに、若年層を政治に参加させることで社会への参画を促し、地方と国家に変化をもたらしたいと考えていることが読み取れます。
日本では、2015年に公職選挙法が改正され、選挙権年齢が従前の20歳以上から18歳以上に引き下げられました。本年7月20日に執行された参議院議員通常選挙で、選挙区における全体の投票率は58.51%となり、前回の通常選挙から6.46%上昇しましたが、18~19歳の投票率は41.74%と、前回から7.25%上昇したものの、全体の投票率と比較すると若者の政治への関心は高いとは言えません。
英国政府は選挙権年齢の引き下げと併せて、教育分野における主権者教育の改革も検討しています。若年層の政治参画の促進やオンライン上の偽・誤情報の対策など、英国の主権者教育の取り組みは同様の課題を抱える日本でも参考になると思われ、今後の英国の動向が注目されます。
(ロンドン事務所 所長補佐 安藤)
【参考文献】
< https://www.gov.uk/government/news/16-year-olds-to-be-given-right-to-vote-through-seismic-government-election-reforms >
< https://www.bbc.co.uk/news/articles/c628ep4j5kno >
< https://www.gov.uk/government/publications/restoring-trust-in-our-democracy-our-strategy-for-modern-and-secure-elections/restoring-trust-in-our-democracy-our-strategy-for-modern-and-secure-elections >
< https://www.soumu.go.jp/senkyo/27sansokuhou/index.html >
<https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/sangiin26/index.html >
