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CLAIRメールマガジン vol.183(2017年7月7日)=大英博物館北斎展 ~Hokusai beyond the Great Wave~

2017年07月07日 

【記事】大英博物館北斎展 ~Hokusai beyond the Great Wave~
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5月25日から8月13日まで、大英博物館では北斎展「Hokusai beyond the Great
Wave」が開催されています。展示には「富嶽三十六景 神奈川沖波裏」、「凱
風快晴(赤富士)」も含まれています。早速足を運んでみたところ、会場には
たくさんの来場者があり、中には大人に連れられた子どもたちの姿もありまし
た。ある小学生くらいの女の子は自分で描いた絵を北斎の作品と並べて鑑賞し、
とても満足げだったのが印象的でした。世界各地にこうした北斎ファンが生ま
れているのを見ることができ、嬉しく思いました。

6月2日には同じく大英博物館で「The wave that swept the world : Hokusai,
Japonisme and the west」と題したシンポジウムが開かれました。
仕事帰りに立ち寄られた方や美術ファンなど、100人を超す参加者があり、熱
心にパネリストの解説に耳を傾けていました。

今回展示のキュレーターでもあるTim Clark氏は、ゴッホに代表される印象派
など、後の芸術家に多大な影響を与えた北斎について「現代美術にとっての
Midwife(助産師)」と表現し、その作品を称賛されました。

また、オランダRijksmuseumのMatthi Forrer氏は、北斎とシーボルトの接点に
ついての解説の中で、北斎自身も当時西洋美術に影響を受けていたと指摘され
ました。150年以上も前に東西の芸術家たちが互いに魅了されていたことが大変
興味深いです。シンポジウム後半では、研究者のChristine Guth氏が、現代に
おいても北斎のモチーフがいかに世界中で親しまれているかについて言及され
ました。ロンドンにも壁に描いた「富嶽三十六景 神奈川沖波裏」を大切にし
ているコミュニティがあるというエピソードも披露されました。150年の時を経
た現代においてなお評価される北斎の魅力を実感したひとときでした。

この展示会は今年10月に、あべのハルカス美術館へ巡回予定です。ロンドンの
人々を魅了した北斎展を日本でもご覧いただけます。

   (ロンドン事務所所長補佐 山口)

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