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活動記録

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2008年09月17日


スピーカーシリーズ「なぜシティ・ブランディングが必要か」

●テーマ:「なぜシティ・ブランディングが必要か」
●日時:2008年9月17日 11:00~12:30
●講師:Mr. Sicco van Gelder
     Director, Placebrands

ご講演要旨

【会社(プレイスブランズ)について】
・2004年に設立されたシティ・ブランド戦略業務を中心としたコンサルタント会社であり、本社はアムステルダムにある。
・これまでに、アムステルダム市、サザンプトン市、タンザニア、ボツワナ等、都市から国家まで幅広い顧客に向けてブランド設立補助の業務を行っている。

【ブランドとは】
・ブランドとは「価値を約束するもの」、「物事を決定する際のツール」、「現在進行形の理念・方針」である。
・単なる広告やロゴ 、スローガンではない。
・何かを決定する際に「ブランドルール」に沿った行動であるか、問いかけられるもの、常に会社の下す決定がブランドルールに沿っているか確認をされるものである。

【シティ・ブランドとは】
・ブランドとの違いは多角的であり、多様な要素を含んでいることである。また、ひとつのキーワードで表現が不可能なものである。

【なぜブランドが必要か】
・観光、企業誘致・投資、オリンピック開催等いろいろな面で自治体は他の自治体と競い、勝ち残らなければならない。その際に有効な武器となるものがブランドである。
・これまでは隣町が競争相手だったものが、グローバライゼーションの結果、世界を相手にしなければならなくなった。その際にも有名であるということは大きなアドバンテージになる。
・街にブランドがあることによって地元の人、企業関係者等にプライドを与え、街に繁栄を呼ぶことができる。

【ブランド構築に当たって】
・漠然としたものではなく、どのような場所になりたいのかというはっきりしたビジョンが必要である。
・自治体だけですべてをやることは不可能であるので、利害関係者をまとめてパートナーシップを結ぶべきである。
・利害関係者で主なものは次の6つである。①政府②投資、移民局③文化、教育、スポーツ関係④地元の人々⑤ツアリズム⑥民間企業

【ブランド構築のためのストラテジーについて】
・共有したビジョン、関係者に判断基準を与えること、街の価値を評価すること、街のブランド価値を活性化することが必要である。
・ストラテジーを実行するうえで内部組織からのサポートが一番初めに必要となる。
・ブランド構築に当たっては、内側からと外側から2つの方向から常にブランドを見続けることが大切である。
・利害関係者が皆でブランドを管理し、常にブランド管理をし続けることが必要である。
・その場所に行ったことがない人にもその場所のイメージというものがあることが厄介である。まずは何でもいい(食べ物等)ので実際の体験をしてもらうことが必要である。※タイに行ったことのない人でもタイレストランに行けば実際の料理を通してタイという国の一部を体験できる。


【ケース・スタディ】
・シンガポールは政府主導でハイテク、バイオテクノロジーを中心に据えたブランディングを行った。
・徐々に街が衰退していたサザンプトンは、大学、高等教育機関、ハイテクビジネスを中心に据えたブランディングを行った。
・グラスゴーは、建築家のチャールズ・レニーマッキントッシュ、都市文化をキーワードにブランディングを進めている。ヨーロッパ文化首都などのイベント成功がイメージ向上に寄与している。ただ、未来の街を形作ろうというより、単純な広告宣伝に頼りすぎている面があり、古いスタイルのブランディングである気がする。
・ビルバオはグッゲンハイム美術館ひとつで街を活性化させている。現在のところは、これが成功しているが未来はわからない。ひとつのアイコン建築に頼ることは危険であると思う。
・アムステルダム市中心部の複合施設「Overhoeks」では、石油関係の工場があった場所にマンション、テナントビル、美術館が作られている。結果、この場所には文化的な生活をおくる新しいコミュニティが出現した。

(質疑)
・(ブランディングに際して地元コミュニティの関わりは必要か)とても大切なものであり、もちろん必要。
・(歴史的な資産等のない街でもブランド化できるか)もちろん可能である。新しい施設を作らずとも、すでにあるインフラ・計画等を活用すればよい。お金ではなく労力の問題である。
・(ツアーと企業誘致のPRはお互い敵対的にならないか)旅行に来た人がここはビジネスに適した土地かもしれないなどと感じればそれは企業誘致に繋がるので、お互いを補完できると思う。例えばアムステルダムに多国籍企業の本社があるのはそこに多様で有能な人がたくさん集まるという理由からである。
・(ビルバオ以外でも巨大な美術館建築等が続けられているが、何が違うのか)ビルバオはグッゲンハイム美術館ひとつに頼りすぎている。マンチェスターなどは施設+スポーツ等多様な面でアピールをしている。
・(マクドナルド、スターバック等に頼らずに独自の街をつくるためには予算が必要ではないか)シティ・ブランディングに当たっては、あくまでもブランドルールに則っているかということが大切なことである。マクドナルドがいけないというわけではない。自分のブランドルールに沿っており、街の価値を高めることができ、人々が喜ぶのであればマクドナルドがあってもまったく問題ない。
(以上)

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日英交流セミナーの打合せを実施

11月18日に開催される日英交流セミナー打合わせ及び会場視察のため、セミナーを共催するダービシャー・カウンティ・カウンシルを訪問しました。



2008年09月12日


第2回「日英交流150周年記念 歴史上の人物誌セミナー」を開催

メドウェイ市のセント・マグダネル教会において、「三浦按針」ことウィリアム・アダムスをテーマとした、第2回「日英交流150周年記念 歴史上の人物誌セミナー」を開催しました。

当日のセミナーは、アダムスが洗礼を受けた教会を会場として、地元の方々を中心とする60名以上の参加者を迎え、アダムスの菩提寺である横須賀市の浄土寺の住職である逸見道郎氏、在英日本大使館の特命全権公使である西ヶ廣渉氏の両氏の講演を中心に実施されました。
講演の様子については、近日中に本ウェブサイトでも公開する予定です。

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2008年09月02日


北海道市町村振興協会が当事務所を訪問

北海道市町村振興協会から道内の市町村職員等が当事務所を訪問しました。JLGCから、英国とドイツの地方自治の概要についての説明を行うとともに、ヨーロッパにおける環境への取り組みや日本との相違などについて意見交換を行いました。
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