カテゴリー別アーカイブ: 地方自治一般

リージョンに関する報告書

2009年03月12日 

 政府により任命された国会の委員会(Ansvarskommitténs)のリージョンに関する報告書につき、SALARが下記のとおり説明している。

1.地方の競争力がより重要になる。長期的な成長率および福祉を確保するためには、国際的な競争に勝たなくてはならない。専門化への要求は、「地理的近さ」に基づいた協力を促し、競争は今日、地方単位であることが特徴となっている。地方レベルでは企業、下請け、コミューン、リージョン、大学、研究機関がしばしば様々な業界の集合地点になっている。しかし地方の成長のための前提条件は全国で格差があり、優先的に必要とされるのは政治的な決定である。そのため、独自のリージョンの知識に基づいてそれらの意思決定をするのは選任された代表者であるべきだ。

2.労働市場としての地方は拡大している。すなわち労働市場の地理範囲は継続的に拡大している。30年間に労働市場として自然に機能する地域は、200から80地域に減少した。さらに20年後には、50地域以下となる。このような展開は、より専門化する労働市場に起因するものだがそれを円滑に促すためには、より開発された交通インフラストラクチャーおよび機能する公共交通システムが必要とされる。これに関連して最良の優先順位づけ・選択を行い、地方の前提条件を利用するためには、地方(リージョン)レベルでの議員による大きな影響力が必要である。

3. 健康および医療ケア分野での開発は、益々迅速になっている。治療可能な病気の種類が日々多くなっている。そのことは、特に市民の意識が高くなり、治療形態への要求が高くなるにつれまた(医療が)高価になることでもある。これらのチャレンジに対処するためには、より大規模な患者基盤と、より大きな経済基盤が必要となる。同時に非中央化した政治的責任分担を保護することも重要で、特に異なる責任組織の間での競争は(医療)活動の開発を促進する。私たちのグローバルな競争力、またそれに伴う私たちの福祉を保持、強化し、同時に市民に平等で最良の質を持つ健康および医療ケアを提供するために社会組織を対応させる方法を見つけ出さなくてはならない。
 委員会の提案は、スウェーデンをリージョンに分割し、そこで信任選出された議員が健康および医療ケアや地方の開発問題の意思決定を行うことである。スウェーデンのコミューンおよびランスティングもそれに賛同している。

【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年1月20日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


全ての(自治体の)アジェンダである国際的な協力

2009年03月12日 

 全てのコミューン、ランスティング、リージョンは、何らかの形での国際的な活動を行っていることを SKLによる新しいアンケート調査が示している。
 半数余りのコミューン、ランスティング、リージョンは、国際的活動のための文書化されたストラテジーを作成している。
 「他国との協力は、活動が最良な形で開発されるために重要なことです。ですから、アンケート調査に参加した全ての組合員の全てが国際活動に携わっていることは喜ばしいことです」とSKL議長、アンダーシュ・クナーペは述べている。
 組合員の間で最も一般的な活動は、海外視察またはその受入れである。10に8のコミューンが視察を受け入れており、10に7は視察旅行を実施している。ランスティングおよびリージョンでは、90%が視察を送りまた受入れている。視察の大多数の行き先はブラッセルである。アンケート調査の返答の半数は、EUに国際活動の焦点を当てている。しかし、多くが他の国際活動もEUと同様に重要であると考えている。
 例えば「最高60%に及ぶ(地方自治体の)活動が、EU決定に影響されるなど、EUの決定が組合員の活動の非常に大きな部分に影響を与えていることを承知しています。そのためそこ(EU)で何が起こっているかに大きな注意をはらうことは重要でありまた適切なことです」
 多くの組合員は、特に北欧およびバルト海周辺地域での姉妹都市との協力を行っている。バルト海周辺地域問題、エネルギー政策、青少年に関する問題が組合員の参加する国際的ネットワークの活動の大きな部分を占めている。
 調査は、またコミューン、ランスティング、リージョンの半数以上が国際活動のための文書化されたストラテジーを作成していることを示しており、さらにストラテジーを持つ組合員が最も活発である。またコミューンの大きさにもより、大きなコミューンは小さなコミューンより活発である。しかし、組合員の間には議会の過半数を占める政党によっての明らかな違いは見られない。
 調査の返答は、国際活動を行う組合員の最も一般的な理由が能力開発および産業開発であることを示している。
 アンケートは国際活動担当の職員によって返答された。

*SKLとは、英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年1月20日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


憲法で守られねばならない自治権

2008年08月06日 

(スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年6月24日発行分)より)
 憲法調査会は、4年間にわたる調査の後、近くどのようにスウェーデンの民主主義を新しい時代により良く対応させることができるかについて発表する。
 スウェーデンの民主主義の最も基本的な原則の一つである、コミューンの自治権を強化する歴史的な機会を逃してはならない、とSKL*(スウェーデンのコミューン・ランスティング連合)の議長アンダーシュ・クナーペおよびSKLの第2議長イルマー・レエパルは、討論記事で述べている。
詳細はこちら(スウェーデン語)http://www.skl.se/artikel.asp?C=2977&A=53721

*英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指します。


リージョンの創設について

2008年05月06日 

(パイロットリージョンの設置)
・カウンティを廃止しリージョンを新設するにあたり、先行して2つのリージョン(ヴェストラ・ヨートラン、スコーネ)がパイロットリージョンとして試験的に設置された。
・パイロットリージョンの設置にあたり、旧カウンティ地域が合併され、国からの権限移譲が行われた。権限移譲の結果、パイロットリージョンは、従来のカウンティの業務である医療に加え、国の地方支部の業務である地域開発に関する責務を担っている。
・パイロットリージョンの評価期間は、当初の予定より延期され、2010年までとなっている。

(委員会の提言)
・政府に任命された委員会(Committee on Public Sector Resposibilities)が、リージョンを導入した新たな枠組について2007年度に報告を行った。
・提言の中には、直接選挙による代表を構成員とする地域機関をもつ新たな地域制度(リージョン)の創設、国の地方支部は国に関する行政の調整や監督に徹すること、リージョンの数はスウェーデン全体として6~9程度、1つのリージョンの人口は100万人~200万人が望ましいこと、リージョンには最低一つの病院と総合研究機関を備えた大学があること、などが盛り込まれている。

(カウンシルオブヨーロッパの報告)
・カウンシルオブヨーロッパのモニタリングレポートによれば、パイロットリージョンの設置によって、その地域に経済の活性化の効果が認められている。

【出典・参考】
・リージョンに関しての委員会の報告書
http://www.sou.gov.se/ansvar/pdf/Ansvarskommittén%20Sammanfattningeng%20Engelska.pdf
・Council of Europeモニタリングレポート(2005年6月)
https://wcd.coe.int/ViewDoc.jsp?id=889905&Site=Congress&BackColorInternet=e0cee1&BackColorIntranet=e0cee1&BackColorLogged=FFC679


地方自治体のしくみ

2008年02月18日 

・スウェーデンには290のコミューン(市)と、20のランスティング(県)がある。
・第二次大戦後、コミューンが合併。1952年に第一次、1974年に第二次。2,500のコミューンが290になった。
・コミューンとランスティングの関係は対等で、事務区分は明確である。コミューンは福祉及び教育、ランスティングは医療など。
・議員数は、奇数でなければならないほか、最小の人数が定めらているが、人数の上限はない。
・地方議員及び国会議員の選挙は同日に行われる。比例代表制で、任期は4年。
・給料が支給されるフルタイムの議員は少なく、多くの地方議員が他の職業を兼務している。


地方議員の現状について

2007年10月29日 

・スウェーデンの地方テレビ局のニュースによれば、スウェーデン地域(ランスティング(英国でいうカウンティ))内の3つのコミューンで、地方議員の100人以上が選挙後わずか1年以内に辞任した。
・理由は、オーバーワークと、度重なる会合のためである。
(参考 スウェーデンには290のコミューンがある。2002年における地方議員数は、13,271人である。)

【出典】Radio Sweden 2007/10/11


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