調査・研究

スウェーデンの地方自治情報メモ

スウェーデン

遠距離教育は将来のための重要な課題

2011年01月11日 

 遠距離教育によって、過疎地の生徒が充分な資格要件を備えた教師により教育を受けることが容易になる。しかし残念ながら、この度の教育省の遠距離教育に関する提案は、言語教育のみに限定されたものである。
 SKL(スウェーデン地方自治体協議会。英語ではSALAR)はこの点、またその他の詳細事項についても提案から削除するよう提案する。
 SKLは遠距離教育問題が法的に明解な立場を得られることを好意的に捉えているが、遠距離教育が言語科目に限定される理由は一切ないと考えている。
 例えば過疎地にある自治体で、遠距離教育のための適切な技術設備があり、数学や自然科学の適任教師がいない場合、同科目やその他の科目について遠距離教育を行うことは非常に合理的だ、とSKLのアンデシュ・クナーペ会長は語る。
 SKLはまた、教育省の提案が余りにも細部に渡る規則であることにも反対している。例えば、遠距離教育は当該学校の属する自治体以外の自治体の学校に雇用されている教職員によってのみ行われること、また授業は生徒が就学している学校施設内で実施すること、などとされている。  
 (スウェーデン北端に位置する)パヤラ自治体の必要とする資格要件を備えた教師が、(最南部の)マルメ自治体所属の教職員であった場合、パヤラ自治体はその教員の所属自治体を問わず、遠距離教育を行うために採用できるべきだ。また自宅で同等の授業を受けられるにもかかわらず、生徒が学校の教室に座るためだけに交通機関を利用して長時間通学する必要があるとすれば、それは合理的ではない、とアンデシュ・クナーペ会長は述べている。

【出典】スウェーデン地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions: SALAR)のニューズレター(2011年1月11日発行)
http://www.skl.se/web/Distansundervisningen_viktig_framtidsfraga.aspx

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