ウィークリートピック
2009年11月27日
財務省が公営住宅要求の増大に応える
公営住宅の建設に対する要求が政府の予想を遥かに上回ったことにより、財務省は来月発表予定のspending review(支出見直し)において追加予算を発表する。
約90の地方自治体が3500戸の建築を検討しており、また49の地方自治体は夏に2200戸の建築許可を得ている。これに対し、コミュニティ・地方自治省は僅か1200戸分の予算しか計上していなかった。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 23.11.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=5956022)
地方自治体への配分が32億ポンド増額
イングランドの地方自治体に中央政府から来年支給される予算額は、32億ポンド(約4800億円)増の760億ポンド(約11兆4000億円)となる見込みである。
政府は2007年に発表された歳出計画の実行に専念しているとコミュニティ・地方自治省政務次官のBarbara Follett議員は述べた。地方自治体協議会のMargaret Eaton議長は、過剰な規制により最前線のサービスは予算を奪われている、と指摘している。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 27.11.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=6124956)
公文書に関する新政策
マイケル・ウィリーズ司法相は、公文書に関する新たな政策「21世紀の公文書」を発表した。
今後、主要機関である国立公文書館、博物館・図書館・公文書館機構及び他の関係機関は、この政策を踏まえた10年間の行動計画を策定する。この計画の目的は、サービスを改善し、より広い利用を提供できるようにすることにある。
「21世紀の公文書」では、上記の公文書関係機関が将来に渡って持続可能となるような基盤整備を行うため、またデジタル社会における課題に対処するための5つの主要提案がなされている。具体的には以下のとおり。
①パートナーシップによってサービスを向上させること―公文書関係機関において持続可能性拡大へ向けた取組を行う
②リーダーシップの強化、専門的知識・技術をもった職員の養成
③現在及び将来におけるアクセスを可能とするため、デジタル情報の取り扱いに関する課題に対し一体となって取り組むこと
④目録による公文書の利用・検索やデジタルアーカイブの利用について、一元的なオンラインシステムを構築し、利便性を高めること
⑤人々の地域社会とのつながりを強化するため、文化面、学術面でのパートナーシップに積極的に参画すること
「EUの定める支払命令」が、公共部門の財政に影響を及ぼす
EUは、支払い期限までに支払われない各請求書の金額に対し、5%の課徴金を課すことを公共部門の機関に要求する「支払命令」を提案している。
この命令は、来年から導入される予定で、これによる公共部門の追加費用は、1億7000万ポンドから6億ポンドに及ぶと見積もられている。この他にも2つのEU命令が、地方自治体にさらなる負担を生みだしている。1つは、ゴミの埋め立てに対する支払命令で、地方自治体は、2009年夏に施行された法律により、廃棄物削減目標に到達しなかった場合に罰金が科されるもの。もう1つは、EU関係機関に勤務する職員に対する命令で、これは同じポジションに12週間勤めた臨時職員には正規職員と同様の雇用条件を与えるというものである。これら3つの提案はすべて、地方自治体にとっては大きな財政的負担を意味している。地方自治体は、ちょうど今厳しい財政的困難に直面しており、管理的経費の軽減に努めている最中であり、地方自治体協議会は、懸念を表明している。
*参照MJ 26.11.2009 Front page
リーズ都市圏が中央政府からより大きな権限を与えられる
11月27日、中央政府とリーズ都市圏リーダー委員会は、雇用や職業技術、住宅、地域再生、交通に係る財政上の意思決定の権限を都市圏に与える協定を締結した。
リーズ都市圏パートナーシップは、都市圏の11の地方自治体(Barnsley, Bradford, Calderdale, Craven, Harrogate, Kirklees, Leeds, Selby, Wakefield, York and North Yorkshire)が集まって結成されたものである。リーズ都市圏は、10万社の企業と470億ポンドの経済力を含む、300万人を超える人口の経済圏であり、マンチェスターに続く2番目の都市圏(City Region)である。
2009年11月20日
クィーンズ・スピーチ
政府は昨日のクイーンズ・スピーチ(女王による政府の施政方針演説)で、今季国会で法制化を目指す優先事項の概要を示した。
スピーチで示された法案には、貧困者への在宅介護の無償提供、教員に新たな教員免許の取得を要求すること、地方自治体に洪水の危機管理への責任を与えることなどが盛り込まれている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 19.11.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=5925895)
若年失業者である「失われた世代」が100万人突破
就職もせず職業訓練も受けていない「失われた世代」の若者数が初めて100万人を突破したことが、昨日の発表で明らかになった。
約5人に1人の割合で、学校を卒業した16~24歳の若者がニートとなっており、彼らの多くは給付金で生活をしている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 20.11.2009
地方自治体協議会(LGA)が政府全般にわたる行政支出の節約を目指すよう提案
(地方自治体協議会が財務大臣に政府による規制のコストを削減するよう働きかけ)
地方自治体協議会は、予算経過報告書(pre-Budget report)への準備として、行政管理コストを減らす提案を用意している。
これは地方自治体だけが公的分野の支出カットの責任を負わなければならなくなるのを避けるため、自ら提案を行おうとするねらいである。この提案には外郭団体の数を削減するとともに検査や規制を減らすことが含まれている。
報告書案は40億から50億ポンドの節約が達成可能であると提言している。
節約が可能と見込める分野の詳細は次のとおり。
・自治体が多くの異なる政府機関から課せられている(統計や監督のための)データ作成の負担を減らす
・検査や規制を減らす(例えば監査委員会や他の検査機関の業務)
・省庁間の連携を良くすることにより、自治体に関係する中央省庁のコストを削減する
・中央政府の不要な活動を減らす
・自治体に対しより大きな支出の裁量を認める
・幾つかの外郭団体を廃止し、残った外郭団体全体を通じた管理支出を減らす
・特定助成金に係る管理コストを減らす
*参照MJ 19.11.2009 Front page
スウィンドン市が、英国初のWi-Fi無料タウンになる
スウィンドン市は、18万人の住民に無料で基本的なブロードバンド・インターネット・アクセスを供給することを目的として、官民のパートナシップを開始するため、IT会社「aQovia」との交渉を行った。
このパートナーシップにより、基本的なブロードバンド・アクセスを提供する「Digital City UK」という会社を創設する予定である。ユーザー(住民)は、おそらく1日につき2時間までという利用制限を受けるものの、希望によっては有料でより高速のサービスや利用時間を追加できるアップグレードをすることや、また自宅やビジネスでのセキュリティのようなサービスも追加可能となるだろう。また遠隔医療ソフトウェアを使用することで、医療を行うようなアプリケーションを認可する計画もある。もしこの事業がうまくいけば、住民すべてによりよいサービスを提供できるばかりでなく、自治体にとって副収入も見込まれる。
2009年11月13日
公共部門の1000億ポンドの経費削減により、8700人が解雇されると労働組合が警告
政府の今後二年間で1000億ポンド(約15兆円)の経費を削減する計画により、公共サービスは前代未聞の歳出カットを迫られている。
地方自治体における失業者数は、過去3ヶ月の1700人から次の3ヶ月で7000人に増加し、3倍に達する見込みである。地方自治体は、図書館やケアホームのスタッフ配置など「必須ではない」サービスの削減から着手している。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 09.11.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=5520296)
労働党のマニフェストに有名百貨店John Lewis方式の公共サービスを盛り込む
病院、学校、レジャー施設や住宅施設で、職員や利用者は、投票で賛成が得られれば、自分たちでその施設を管理できるようになる。
このJohn Lewis型共同経営方式が、労働党の総選挙用マニフェストでの急進的な中心政策となりそうだ。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 12.11.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=5612435)
地方自治体に影響を及ぼす数々の法案が女王の裁可を受ける
①地域民主主義・経済開発・建築法
地域の経済政策や協働を保証し、また地元の意思決定に住民が直接的に参加できる機会を提供するため、地方自治体にさらなる権限を与える法律
②徒弟制度・技能・児童・学習法
義務教育を18歳までに延長し、25歳までの学習障害者及び少年犯罪者たちに教育の機会を確保する法律
③検視官及び司法法
イングランドとウェールズで全国検視官サービスを開始し、遺族のため上訴制度を含めた新しい権利を創出するとともに、検視官に新たな権限を与えるための法律
④平等法
人種、性別、障害、年齢、性的志向、宗教や信念、妊娠と母性や性転換の権利を守り、また年齢差別と戦うための、全体的な単一公的団体である「Equality Duty」を創設するための法律
⑤健康法
国民医療サービス(NHS)の質を改善し、また公衆衛生の改善を目的とした法律。特に自分で成人社会福祉サービスをアレンジしている人々からの苦情を考慮して、地方自治体オンブズマンによる監視事項を拡大する。
⑥海洋沿岸アクセス法
海域をよりよく保護し、海岸線沿いに途切れのない海岸道を整備し、これに地方自治体が関与できるようにするための法律。
⑦福祉制度改革法
給付金生活から働く生活に変えようとする人々に対する奨励と支援、また障害者に対してより多くの選択と自己決定の機会を与えることを含む福祉と社会保障体系の改革を目的とした法律。
⑧警察業務・犯罪対策法
警察業務の有効性と説明責任を増加させ、警察業務の意思決定において地元住民により強い発言権を与え、さらに地元の警察業務の優先事項に集中させるため、警察機関により大きな自由裁量を与えることを目的とした法律。
⑨追加的ビジネスレイト法
経済開発を促進させる事業の支出を増加させるため、ビジネスレイトの納税義務者に対して付加的な税を課すことができるようグレーター・ロンドン・オーソリティ(GLA)や一定の地方自治体に権限を与える法律
地方自治体には地域のごみ処理の十分な権限がない(地方自治体がごみ処理問題への不安を認める)
地方自治体には産業廃棄物等の民間部門から出るごみを管理する権限が十分になく、このことが、ごみのリサイクルや埋め立てに関するEUの基準を達成することへの重大な障害になるおそれがある。
家庭ごみのリサイクルに関しては2000年度と比較して11.2%の大幅な改善を見せているが、地方自治体の管理が及ばない産業廃棄物に関しては異なる結果となっている。地方自治体協議会の環境部会は、地方自治体がごみ処理施設を改善できるようにするために、政府に対して埋め立て税(Landfill Tax)を地方自治体に配分するよう要望している。
*参照MJ 12.11.2009 p.5
2009年11月06日
無料の保育施設が予算不足の影響を受けている
財政危機により、公立の保育園がスタッフの解雇、クラス規模の拡大、場合によっては閉鎖される事態となり、何千もの家庭が就学前教育の機会を失う可能性がある。
これは、保育所を運営する地方自治体、民間、ボランティアセクターそれぞれに対し、予算をより公正に配分するという政府方針の結果である。Dawn Primarolo児童担当大臣は先週、地方自治体幹部に対し、保育所を維持するよう指示した。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 03.11.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=5364515)
地方自治体が増税率を抑制
イングランドの地方自治体におけるカウンシルタックスの増額率が、過去10年以上で最低となることがLocal Government Chronicle(地方自治体職員向けの機関誌)の調査により明らかになった。
回答した81の地方自治体の平均増額率は今年の3%のほぼ半分である1.6%であり、また34の地方自治体では凍結または削減する予定となっている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 05.11.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=5402974)
地方自治体自身による支出割合は、当該地域における公共支出の5%に過ぎない
13の地域で試験的に実施されているトータル・プレイス事業によって明らかになった数字によれば、地方公共支出のわずか5%にしか、地方自治体の権限が及んでいないことがわかった。
ある地域では、公共サービスについて一人当たり7000ポンドが支出されているうち、350ポンドのみしか地方自治体の民主主義的コントロールの下にないことが明らかになった。総額に換算すると、一地域平均30億ポンドの公共支出のうち、およそ1億5000万ポンドのみが地方自治体の権限下にあることになる。
この試験事業の報告書では、異なる公的部門による重複支出も明らかにされている。具体的には、ダラム市には住宅供給のために47の異なる補助金が支出されていた。また、ルートン市、セントラル・ベッドフォードシャ-市には、49の異なる公共組織があった。
これらの数字は、地方自治体の公共支出に関する権限が小さいこと、地方における多くの意思決定は、地方自治体ではなく当該地域のニーズを反映しているとは言えない中央政府寄りの他の機関によってなされているということを明らかにしている。LGAと地方自治体は、この結果をもとに、地方歳出における地方自治体の権限拡大を求めていくこととしている。
*参照MJ 05.11.2009 Front page
