ウィークリートピック
2009年05月29日
地方自治体が地域再生計画のための財源について提案
英国の4つの大規模な地方自治体が、将来の税収を考慮した地域再生計画に必要な多額の財源をその4つの自治体独自で確保するという画期的な計画を導入するよう政府に要求した。
ニューカッスル, リバプール, マンチェスター, バーミンガムで始まるこの動きには、地域再生計画が徐々に中止になるのではという恐れがその背景にある。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について26.05.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=1936589)
地方自治体が街灯を消すことは、女性に対して「夜間外出禁止令」を出しているに等しい
夜間街灯を消すという賛否両論ある計画は、「女性に対し夜間外出禁止」を強要するものだとして、非難を浴びている。
Essex市ではこの計画を2007年8月に実行し、Saffron Walden、Dunmow 及びMaldonの一部地域で毎晩深夜12時から午前5時までの間消灯を行った。市の広報担当者は、エネルギー費が21%削減され、全体として対象地域での窃盗は減少したとコメントしている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 29.05.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=1943858)
地方自治相が、地方分権がうまくいっていないことを認める
ジョン・ヒーリー地方自治相は、ファビアン協会主催のセミナーでの発言で、政府の地方分権が順調に進んでいないことを認めた。
分権に一定の進展はあるものの、スコットランドやウェールズで達成されたような目覚しい分権は、イングランドでは、政府が地方分権に向かう歩みが遅いため、いまだ実現していないと認めた。同氏は、過去には「地方自治体はその権限を有効活用していない」と発言していたが、それとは対照的な今回の発言である。また同氏は、保守党の地方議員が権力を握ることで、誰もが利用できるサービスや資源の再分配の実現が脅かされていると批判した。
*参照LGC 28.05.2009 Front Page
セント・オールバンズ市が地域空間戦略をめぐって最高裁で勝利(裁判が住宅計画の見直しを指示)
セント・オールバンズ市は、5千戸以上の新しい住宅建築に反対していた訴訟で、最高裁において勝利した。
この5千戸以上の住宅を建築するという計画は、イングランド東部の地域空間戦略によって設定されていた。セント・オールバンズ市は、同地域内で数多くの住宅を建築することによって、セント・オールバンズとロンドンを区別しているグリーンベルトを崩壊させ、都市のスプロール現象を生み出すことになると主張した。最高裁は、この見解に同意し、この地域での住宅計画を見直し、イングランド東部の地域空間戦略の一部であるこの計画を変更するよう政府(コミュニティ・地方自治省)に命じた。しかし地域空間戦略の他の計画については、影響を受けないと見込まれている。
*参照The MJ 28.05.2009 P.3, LGC 28.05.2009 P.3
2009年05月22日
子どものデータベースは情報漏洩の懸念の渦中に立ち上げられた
大量の情報を蓄積することについて政府は信用できないという非難の中、イングランドのすべての子どもの詳細情報を掲載したデータベースが、昨日稼働を始めた。
ContactPoint (子ども・学校・家庭省と地方自治体の責任のもとに管理されているデータベースシステム)に保存された情報は、何千人もの政府や民間機関の職員が利用することが可能であり、その利用範囲は、教育、社会福祉、青少年犯罪にわたることとなる。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 19.05.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=1914734)
ゴミの費用
Keep Britain Tidyの最新情報によると、ゴミのポイ捨て禁止運動は数多く行ったにもかかわらず、ポイ捨てされたゴミの量は減っていないことが分かった。
英国の地方公共団体が負担する清掃費用は年間約5億ポンドにものぼるが、その費用は本来より重要なサービスに費やされるべきものであろう。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 20.05.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=1918355)
地方自治体再編が裁判に持ち込まれる(裁判が予定されているサフォーク県の戦い)
4月に、9つの新しいユニタリーが誕生したが、イングランド地方での地方自治体再編成はまだ終わっていない。
デボン県、ノーフォーク県、サフォーク県におけるさらなる提案は未解決のままである。しかしながら、再編のまさに最終段階にあるようには見えるのだが、提案を進めるに当たっては地方自治体にはあまりにも多くの意見の相違がある。サフォーク県下の3つの自治体フォレスト・ヒース市(ディストリクト・カウンシル)、サフォーク・コースタル市(ディストリクト・カウンシル)、セント・エドモンズバリー市(バラ・カウンシル)は、イングランド境界委員会に対しての訴訟を考えている。その理由は、提案では境界委員会が、例えばサフォーク県内に3つのユニタリーを創設するといった選択肢を除外して再編を進めようとしているからである。これらのディストリクトはまた、境界委員会が、サフォーク県内で影響を受ける住民との適切な協議を拒んでいると主張している。
*参照The MJ 21.05.2009
2009年05月15日
財政緊縮のために毎年小学校100校を閉校
学校が不足するという懸念にもかかわらず、過去10年間で1000以上の小学校が閉校に追い込まれてきた。
テレグラフ紙が調査をした自治体の3分の1では、生徒収容数が限界に近づいているか、既に学校を増築させられたと述べていた。政府が空き机のある学校を閉校するよう自治体に指針を通達したことを考えると、政府は自治体等からの批判を受け止めるべきである。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について12.05.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=1893174)
道路の補修より道路の穴へ多くの予算が支払われる
地方自治体協議会(LGA)は、道路の状態により生じた被害に補償を求める要求の増加が、道路補修に要する予算を枯渇させているとして、「負ければ報酬は受けない」弁護士を非難している。
昨年イングランドとウェールズの地方自治体では、道路にできた穴により被害を受けた人へ5300万ポンド(約79.5億円)の補償金を支払ったが、これは道路の補修に支払った額より、70万ポンド(約1億円)も多かった。LGAの交通委員会の委員長であるDavid Sparks氏は、「悪循環に陥っている道路の維持費用は、地方自治体の支払い能力を超えている。この状況は道路補修予算の半分を食いつぶしている弁護士たちにより、更に悪化するだろう。」と述べている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 15.05.2009(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=1899913)
政府は、地方自治体の代表制度の改善策導入を中止
政府は、地方議会選挙に立候補する人を増加させるための方策や地方議員の活動を活発にする方策、例えば、地方議会から離れたところにいるときでも投票できるような-を導入する法案の審議手続を中止した。
「コミュニティ管理(Communities in Control)」白書のなかで提案された「地方に権限を与える法案(empowerment bill)」は議案から漏れた。その他の問題、例えば、直接選挙制の市長の数をどう増やすか、また、パリッシュ*をどう改善するかという問題も、当面、取り組まれないこととなった。
しかしながら、例えば、地方自治体が民主化を促進するための責務や、幹部職員の政治的活動を制限する規則を修正するといった他の政策は、上院を通過し、下院で審議される予定の地方民主主義・経済開発・建設に関する議案に加えられるであろう。
*パリッシュ:教会の布教のために設けられた教区に起源を持つ、地域共同体的な性格を持つ法律上の準自治体(Sub-principal authority)。
*参照LGC 14.05.2009
中央政府がストーク・オン・トレント市への介入を強化
5月11日、ジョン・ヒーリー地方自治担当閣外大臣は、政府がストーク・オン・トレント市に対する介入を強化する予定であると発表した。
これは「直接公選首長とカウンシル・マネージャー」(Mayor-city manager)制度が廃止され、「リーダーと議員内閣制」(Leader-cabinet)を採用することを市民が住民投票で可決した後でのことである。しかし地方議会選挙の選挙サイクルを4年毎に全議員を一斉に改選する方式に変更するというストーク・オン・トレント市の独立ガバナンス委員会による勧告は、議会に採択されなかった。このため政府は、この選挙に関する法律を制定する意向である。政府はまた、市における継続したサービスの供給を支援すると同様に、ストーク・オン・トレント市への政府介入の準備移行を指揮監督する移行委員会(transition board)の構成員を発表した。議長はマイケル・クラーク教授が続ける予定である。新しいメンバーは、ウエスト・ミッドランドの政府地域事務所の地域事務所長(regional director)同様、ウエスト・ミッドランドの他の都市から選出された議員で構成される予定だ。政府は、2011年までにこの都市が、もっと安定した状態でよりよい地域のリーダーシップの確立と、現在苦労している問題が克服されることを望んでいる。
*参照The MJ 14.05.2009
2009年05月08日
子どもを対象としたソーシャルワーカー雇用に関する地方自治体の苦悩
地方自治体協議会による調査によると、Baby P(母親とそのボーイフレンドの虐待により死亡した幼児)の事件が、子どもを対象としたソーシャルワーカーの採用に大きな影響を与えていることが分かった。
調査によると、5分の3の地方自治体が職員の採用に、5分の2の地方自治体が職員の留任に支障をきたしているという。地方自治体協議会のマーガレット・イートン議長は、「この数字は、弱い立場にある子どもの安全を確保する専門職員を確保し留任することに、地方自治体が非常に苦労していることを示している。この専門的職業がここ数ヶ月非難を受けているため、危機的な状況にある子どもを保護する専門職員を、地方自治体が確保することに大きな悪影響を及ぼしている。」としている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について (http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=1871942)05.05.09
60年代からの広がる所得差
2005年の総選挙後の3年間で、低所得者の所得が減少し、逆に高所得者の所得が増加しているという事実をみると、ゴードン・ブラウン首相統治下の英国政府は、1960年代初めからの記録によると、どの時代よりも不公平である。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について(http://www.lga.gov.uk/lga/core/page.do?pageId=1887312)08.05.09
地方自治体に対する世評の低下
地方自治体に対する住民の満足度が低下している。
最新の統計によれば、自分の所属する地方自治体のサービスに満足している住民は、半数もいないという。Place Survey(コミュニティ・地方自治省が行っている各地方自治体内で実施された調査)による最新のデータが、この6月にコミュニティ・地方自治省によって公表されることになっている。2006年に行われた前回の調査では、平均して53%の住民が、地方自治体に対して満足感を示していたが、2008年にはその平均が45%になっており、その間で住民の満足度に著しい低下が起こっていることになる。不思議なことに、個々の地元地域に対する満足度は逆に上昇しており、約79%の住民が、彼らが住んでいる地域自体には満足しているという。しかしながら地方自治体が目に見える改善を行っても、自治体はどんな評価も得られることはない。人々が不満を抱いている理由の一つには、十分な情報を持っていない住民に対する地方自治体の情報提供不足が挙げられる。また別の理由として、カウンシル・タックスの増税があげられる。なぜならカウンシル・タックスは、住民が一番直面している税金であるので。一方で、アイスランドの銀行問題や、Baby Pの問題といった地方自治体に関連する一連の最近のニュースは、住民が抱いている不満の根本的原因ではない、という主張もある。
*参照The MJ 07.05.2009
