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欧州委員会、大学と民間の連携促進へ

2012年01月13日 

欧州委員会はこのほど、地域のイノベーション戦略における大学と民間企業の連携促進に向け、欧州地域開発基金(ERDF)を通じたプログラムのガイダンスを公表した。
「Smart Specialisation Platform(スマートな専門特化プラットホーム)」の枠組みの一環で、提案の骨子は以下の通りとなっている:
・大学の動員は「ホリスティック(全人的)」であるべき:単発のプロジェクトではなく、プログラムに重きを置く。
・人材育成が不可欠:リーダーシップおよび垣根を越えたスキルを重視する。
・現在はイノベーションに科学主導/テクノロジープッシュ(技術主導)型の手法が取られているが、文科、人文科学、社会科学が果たし得る役割を認識するには、特に気候変動や人口の変化といった課題に対応する上でも、イノベーションの定義を拡大すべき。
今後の参考となるケーススタディーとして選ばれたのが、スウェーデンのヴェルムランド地方である。SLIM IIプロジェクト(210万ユーロの予算のうち105万ユーロをERDFが拠出)はビジネス・ネットワークおよびクラスターの発展を支援し(15カ所のクラスターの計700社が関与)、企業間の提携を促すもので、カールスタード大学が調整・橋渡し役を務めた。地域の権威たる同大が主要なプレーヤーとして明確なお墨付きを与えたことが、プロジェクトの成功には不可欠だったとしている。

出典:
– ‘Connecting Universities to Regional Growth’, 16 December 2011
http://ec.europa.eu/regional_policy/newsroom/detail.cfm?id=157
– ‘Connecting Universities to regional Growth: A practical guide’
http://ec.europa.eu/regional_policy/sources/docgener/presenta/universities2011/universities2011_en.pdf

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