カテゴリー別アーカイブ: 地方自治一般

自治体は余剰人員のコストを懸念

2010年11月16日 

政府の決定した予算編成方針に伴い、自治体は歳出削減を行うために人員削減を強いられることとなるが、いくつかの自治体ではその余剰人員削減コストの支払いに苦しむことになると自治体が政府に警告している。
今回のケースでは、定年退職者不補充などの人員の自然減だけでは対応は不可能だろう。なぜなら、歳出削減の前倒しに対応するため、自治体は仕事を先に削減しなければならなくなるからだ。LGA(地方自治体協議会)のマーク・ルートレイ財務部長は「今回の歳出削減は前例のない規模のものであり、職員配置をどうするかは大きな問題である。自治体の余剰人員削減がどれくらい難しいことであるかについて、決して思い違いをしてはならない」と述べている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 16.11.2010


地域事業パートナーシップ(LEPs)は南部に集中、北東部は大敗(北東部は地域事業パートナーシップの新しい24のリストから閉め出し)

2010年11月04日 

24箇所の初の地域事業パートナーシップの配置地図を見てみると、イングランド南部と中央部に集中していることが明らかである。南西部には一つだけ、そして北東部にもたった一つあるのみである。
一方で、歳出削減の影響は、北東部が一番ひどく受けることになるだろうと広く考えられている。それゆえ、開発を呼び込みビジネスの成長を支援する役割を担う地域事業パートナーシップが、これらの地域でほんの少ししか創設されないことは、大きな問題である。
*参照 MJ 4.11.2010 P3


ボランタリー部門の強化

2010年11月02日 

2010年11月2日、グレッグ・クラーク地方分権担当大臣は、政府の他のメンバーとともにボランティア団体のリーダー達とのトップ会議に出席し、ボランティア団体とコミュニティーとが、どのようにすれば地域公共サービス提供により活発に携わることができるかについて議論した。
このことについてはグリーンペーパー(政府の政策提案書)でも簡単に触れられるだろうが、この「権限移譲」の原則は、近々国会に提出される「地域主義法案(Localism Bill)」に位置づけられる見込みである。また、社会的企業(social enterprise)についても、14億ポンドの地域成長基金(regional growth fund)からの助成金に応募することが可能となる見込みである。


政府は24のLEPsを公表

2010年10月28日 

2010年10月28日、エリック・ピクルス・コミュニティ・地方自治大臣とビンス・ケーブル・ビジネス・改革・技術大臣は、地域事業パートナーシップ(Local Enterprise Partnerships – LEPs)の第一次設立者名を公表した。
これらのパートナーシップにより、今後の地域開発は、地域開発公社(RDA)がこれまで所管してきた地域の境界を越えて、経済的にまとまりを持ったエリアにおいて推進されていくことになる。
しかしLEPs自体は今後も自己資金を持たず、代わりに14億ポンドの地域成長ファンド(Regional Growth Fund)からの財源を申請することになりそうである。
【出典】コミュニティ・地方自治省ウェブサイト
http://www.communities.gov.uk/news/corporate/1753564


地域成長白書「白書がパートナーシップ活動の新時代到来を予告」 

2010年10月28日 

政府は、新設される地域成長基金が、どのような仕組みとなるかに関する詳細を、地域成長白書の中で明らかにした。
14億ポンドのこの基金への申請は、民間会社又は地方自治体と民間会社とのパートナーシップによってのみ可能であり、地方自治体単独での申請はできない。また、申請金額には最低額が設けられる見込みで、これにより過剰な少額申請によって許諾手続がごった返すことはなくなる。
また、地域事業パートナーシップ(LEPs)は独自財源を持たず、様々な資金源から資金を得なければならないことや、必要に応じて個別に中央省庁と契約を結ばなければならなくなることも確認された。
*参照 LGC 2010年10月28日号1面


コミュニティー予算の試験的導入が発表

2010年10月22日 

政府は10月22日、「トータル・プレース(Total Place。地域総合予算)」の後継となる施策として、予算を1カ所にプールし、地方自治体が社会的課題解決のための地域支出により大きな権限を持てるようになる試験的枠組みを発表した。
本日、包括的支出見直し(Spending Review) の一環として、16の指定地域において、中央政府から強制されることなく、地域における予算を直接管理できるようになった。来年4月より、第一次指定地域である31の地方自治体やそのパートナー団体を含む16の各地域で、「コミュニティー予算」を管理することになる。このコミュニティー予算は、様々な中央省庁からの補助金を、単一の「地域指定口座」に集め、複雑な問題を抱える家庭に関する社会問題に取り組むための財源となる。
閣僚会議では、緊縮財政の中でも、地域の鍵となる優先課題を解決するための支出については、コミュニティにより多くの権限を委譲することが決定されている。 コミュニティは、限られた財源を確実によりよく利用していることについて、説明責任を自治体に求めることができるようになる。
現在は、様々な問題を抱える約12万世帯のために、年間約80億ポンドが支出されているが、これらは何百もの異なる事業や省庁・政府関係機関を通じてのみ地域に流されている。このような投資にも関わらず、家庭に関する様々な課題は解決されていない。行政サービスが連携し、問題に早期に関わることで、家庭が自らの生活を好転させる機会が与えられるようになることが必要である。また、この統合された早期介入手法は、行政コストを削減することもできる。
コミュニティー予算は、政府は2013-2014予算年度までに全国的に展開することを予定しており、地方自治体とそのパートナーは、各家庭が抱える諸問題の解決のための財源を一元管理し、地域の問題を地域で解決できるようになる。
試験的な試みがなされる16地域は、以下のとおりである。
グレーター・マンチェスター、レスターシャー、クロイドン、ブラックプール、イズリントン、ハル、ケント、ブラックバーン・ダーウェン、ブラッドフォード、スウィンドン、バーネット、ルイシャム、エセックス、リンカーンシャー、バーミンガム、および4区合同によるロンドン区グループ(ウェストミンスター区、ケンジントン・チェルシー区、ハマースミス・フルハム区、ワンズワース区)


財政赤字削減に向けたジョージ・オズボーン財務相の4年間の戦い

2010年10月21日 

ジョージ・オズボーン財務相は、福祉、高等教育、公営住宅、警察から自治体に至るまで広範囲にわたって歳出削減を行うことで、英国国家の中心深くまで大なたを振るうこととなる「包括的支出見直し(Spending Review)」を昨日発表した。
彼は、この計画によって英国は財政破綻の瀬戸際から脱するだろうと述べている。自治体の予算は今後4年間にわたって総額28%が削減されることになる。LGA(地方自治体協議会)のマーガレット・イートン議長は「自治体は今後、どのサービスを提供し続けることができるかについて、極めて厳しい選択を迫られることになるだろう」とコメントしている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 21.10.2010
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50万の公職が廃止

2010年10月20日 

本日発表された公共支出の包括的支出見直し(Spending Review)の結果として、50万人の公務員が職を失うことになりそうである。
ダニー・アレクサンダー副財務大臣は、部外秘の説明資料に目を通しているところを写真に撮られたことから、現在見込まれている人員削減の全容を公表した。それによると、数千人に及ぶホワイトホールの公務員(訳注:国家公務員)が解雇を迫られるとともに、公務員の給与は凍結される見通しである。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 20.10.2010


大きな社会(Big Society)」に関する認識調査(政治課題「大きな社会」に対する大衆の判決)

2010年10月14日 

雑誌Local Government Chronicleは、主要な地方自治体、ボランティア団体、およびパリッシュ等小規模自治体を対象に、「大きな社会」に対する見解について調査を実施した。
これによって重要な事実が数多く判明したが、最もショッキングな結果は、「大きな社会」の目的として政府が明言している成果の達成について、肝心要のボランティアセクターこそが、最も懐疑的だったことである。また、主要な地方自治体が、「大きな社会」によってパリッシュが強い役割を持つようになるということについて懐疑的であるのに対し、パリッシュはこれに対する強い期待を表明するなど、自治体によって顕著な相違が見られる。
*参照LGC 14.10.2010, p. 12 to 18


外郭団体廃止は負債処理のため過重負担に

2010年10月08日 

政府内からの漏洩文書により、180に上る特殊法人を廃止することによって巨額の経費節減を確保しようとした政府の計画は、廃止にかかる賃貸借契約の違約金、退職金、年金をカバーするために必要な負債が何十億ポンドにも上るため、頓挫する可能性があることが明らかになった。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 8.10.2010


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