カテゴリー別アーカイブ: 地方自治一般

セブンオークス市とコミュニティ自治組織の協働について

2013年06月03日 

セブンオークス市(ディストリクト・カウンシル)は、ロンドンから南東に電車で30分ほど、ケント県(カウンティ・カウンシル)に属する人口約11.5万人、面積約370㎢の基礎自治体である。ロンドンを囲むグリーンベルト(開発規制のある緑地帯)が同市の9割以上を占め、そのためにロンドン通勤圏でありながら非常に緑の多い美しい地域である。

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地方自治体の大幅な予算削減は現在も議論中(政府は前倒し方式からの転換を準備)

2011年11月21日 

地方自治体の直面する財政状況は、未だに不透明なままである。地方自治体は包括的支出見直し(Spending Review)において、来年は最大の支出削減(地方自治体全体で8.4%)、続く3年間はこれよりも削減幅を抑えた削減について提示された。
しかしながら多くの地方自治体は、ここに示された不均等な削減率に対して抗議している。政府は現在削減率のバランスをよりよくする方法について検討を行っており、12月に発表される見込みの自治体に対する詳細な妥協案では、特定の自治体に対して極端に大幅な削減が行われることを防ぐ方策が盛り込まれることが予想されている。
*参照 The MJ 25.11.2010, front page


スウェーデンの公的個人認証サービスを再検討せよ

2011年03月01日 

電子個人認証の調査グループは、インターネット上で我々が身分証明するための公的個人認証サービスをどのように発展させて行くか、提案書を提出した。しかしこの提案は不十分で、議論から除外されるべきものであり、再調査が妥当である、とSKLのホーカン・スールマン事務総長はSvD(スウェーデンの日刊紙)の論考欄で発表している。以下はその論考の邦訳である。
インターネット上における身分証明の必要性は増加しているが、今日の手段は継続的に維持できるものではない。したがって今回のスウェーデンの電子個人認証に関する調査によって、全ての公的機関に有効で、また新しい電子サービスの開発にもより良い環境をもたらし、さらにコストも低減するような解決方法が提案されるものと、我々は信頼を持って期待していた。提案書が提出された今では、それはつまらない読み物に過ぎない。同提案書は一項ごとに疑問を感じるものであり、初めからやり直す以外に方法はないと考えざるを得ないほどのものである。
 ここでいう公的個人認証サービスとは、出生証明書に比べて、プラスチックカードなのかそれとも小さな箱なのかといったことではなく、我々一人一人の個別の電子セキュリティ番号のことである。レポートにおいて、電子個人認証(証明書)の開発は、誰もが考えるような税務局や警察ではなく、今後も継続的に民間の事業者により運営されるべきだと提案されている。
 証明書の発行を民間市場の事業者が請け負うべきでないということは、我々にとって基本原則である。民間事業者は、市民の身元といったデリケートな機密情報を取り扱うべきではない。したがって、銀行やその他の民間事業者がプラスチックカードや箱その他のものに置き換え、電子個人認証として利用できるよう、政府が証明書を発行するべきである。民間事業者の場合、証明書の発行を中止したり、また破産したり売却されたりする可能性もあるが、政府による証明であれば万全であり、継続的に維持することができる。これは我々が民間市場による解決策について常に否定しているということではない。むしろ逆であり、民間市場に開放された医療選択の自由や新しい公共交通機関法について我々は積極的である。しかし本件に関しては民間市場による解決策は適切ではない。
同提案での解決策は、例えば医療といった分野において課されている、個人情報に関する安全基準も満たしていない。調査グループの提案によれば、異なる事業ごとに並行したシステムを構築することが予想されるのだが、スウェーデンの公的個人認証サービスがそうなることを意味する。銀行で電子認証を使い、医師と連絡するのに別の電子認証、またネット上で税務申告に署名するのにさらに別の電子認証を用いることが必要になる。人々にとって大変不便なだけではなく、このことはリソースの巨大な浪費も意味するのである。
 この提案における別の問題点は、システムの財源となるビジネスモデルがすべて、公的個人認証サービスの需要像についての時代遅れな見方に基づいていることである。需要は多様であり、法的にこのモデルがLOV(選択の自由システム法)による選択オプションを許容することが出来るかは疑問である。このビジネスモデルは技術的にも複雑であり、公的個人認証システムを必要以上に割高にすることは明らかである。
 地方自治体や州議会は、市民との接点のうちの80%を占める。すなわち、自治体と州議会に適した解決策を見つけることを最優先にすべきである。すでに自治体や州議会は、公的個人認証システムに多額の投資を行っており、我々はそれが将来の解決策の基礎になると常に思ってきた。しかし今や今回の調査ではこれらの投資は考慮されず、無駄になることが明らかになった。我々が非常に批判的にならざるを得ない、社会的リソースの大きな損失である。
 最後に、今回の調査で提案された解決策は、技術的に非常に複雑なもので、地方自治体や州議会の諸活動に理解のないITコンサルトにより立案されたものである。同提案モデルは技術的、法的な両観点から複雑・不可解なものであり、それを理解し検討するためには、情報技術に関するトレーニングを要する。議論が行われないのは、それが理由なのだろうか?
 多くの人々が今回の提案に批判的である。事実、良好な解決策であると捉える人が仮にいるとしても、それはごく少数である。国家の認証による公的個人認証サービスシステムを、現在そして将来の諸活動の必要性に基づいて開発するよう、政府は再調査を早急に始めるべきだ。
【出典】スウェーデン地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions: SALAR)のニューズレター(2011年3月1日発行)
http://www.skl.se/press/debattartiklar/utred-svensk-e-legitimation-pa-nytt


リバプール市が「大きな社会(Big Society)」プロジェクトのモデル地域から離脱(リバプール市の大きな社会プロジェクトクトが離陸に失敗

2011年02月03日 

リバプール市が「大きな社会」プロジェクトのパイロット事業から離脱した。この理念の推進者として任命されたテレビ番組のプロデューサーは、この事業にはあまりにも多くの中央政府からのトップダウンの指示があったことや、同時に財政削減がこの課題を推し進めることを困難にしたことを語った。
市長は、市役所がプロジェクトの最初の段階からは関与させてもらえなかったことや、財政削減がボランティア団体にまで強い影響を及ぼしたことに不満を述べた。
参照:LGC 3.2.2011, page 1


エリック・ピクルス大臣が歳出削減を4年間均等にして欲しいという自治体の訴えを拒否

2011年02月01日 

コミュニティ・地方自治大臣のエリック・ピクルス氏は、予算カットを今後4年間にわたり均等に行って欲しいという自治体からの要望を断固拒否した。
これにより自治体は、過去最大の歳出削減を、今後12カ月の間に行わなければならないことになる。この政府による地方自治体財政計画の発表に対して、地方自治体協議会(LGA)のリチャード・ケンプ副議長は、「知っている限りで最も厳しい予算」だと表現した。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 1.2.2011


自治体の財務状況公開期限

2011年01月25日 

2011年1月25日、エリック・ピクルス コミュニティ・地方自治大臣は、地方自治体が500ポンド以上の公共支出についてインターネット上で公開しなければならない期限は1月末であると発表し、地方自治体に対してその実施を促した
。コミュニティ・地方自治省は、公表していない自治体に圧力をかけるため、自身のウェブサイト上で、どの自治体が既に公表しており、どの自治体が公表していないかの詳細を発表した。
参照:http://www.communities.gov.uk/news/corporate/1825217


地方自治体協議会(LGA)が中央政府を訴える可能性(「LGAは、政府からの補助金に関して法的手段を計画」

2011年01月20日 

LGAの情報筋によれば、一旦国庫に納入されたのち、地方自治体に再分配されるビジネス・レイトについて、LGAが中央政府を相手に訴訟を起こすことが検討されているとのことである。
クリスマス直前に政府によって次予算年度の地方自治体財政計画が公表されたのち、地方自治体がその詳細内容を把握し、各自治体の予算を計算するためには多少の時間を要した。その結果、財務省は、ビジネス・レイト税収の一部を国庫に残し、地方自治体に分配しない方針であることがわかった。地方自治体の首長らは、この財務省の方針は、1993年に施行されたビジネス・レイトに関する法令違反行為に該当すると確信している。現在のところ、LGAは公式にはこの問題に関して政府との合意を目指すとしているが、一部のLGA幹部は、法的手段も辞さないとしている。
*参照 The MJ 2011年1月20日号1面


図書館、青少年クラブ、そして道路清掃が「民営化」の準備

2011年01月17日 

自治体および外郭団体から民間への業務アウトソーシングが増加し、公共サービスはますます民間会社によって運営される傾向が強まっている。
労働組合は失業者増を警告しているが、一方、民営化によって納税者はお金を節約できるという声もある。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のトニー・トラヴァース調査研究所長は、「今回の歳出削減は70年代のものよりさらに一層踏み込んだものであり、自治体の歳出削減を強いられるスピードは空前絶後だ」と述べている。
*参照 地方自治体協議会(Local Government Association)の「News headlines」について 17.1.2011


コミュニティ・インフラ税にコミュニティへの支出を含める

2010年11月18日 

2010年11月18日、グレッグ・クラーク地方分権担当大臣は、前政権が創設したコミュニティ・インフラ税(CIL)については継続するが、若干の制度変更を行う旨を発表した。
この税は、開発業者にインフラの費用を負担させる上での公正な手法と認められている。新政権が変更を予定しているのは、徴収された税の一部について、新たな開発が行われる地域のコミュニティに配分されるようにし、そのお金が当該地域の何に支出されるべきか(例えば、公園の改良や自転車道の整備などといった小規模なプロジェクト)について住民がより直接的な発言権を持てるようにしたり、あるいは青少年センターやレジャー施設などの自治体による大規模プロジェクトに貢献できるようにしたりするということである。


地方自治体の自主的な合併が増加する見込み(市町村の.完全合併の計画によって地方議員は削減に直面)

2010年11月18日 

イングランド地方自治体境界委員会(LGBCE)は、たとえ当該自治体が反対であっても合併を強制的に行わせる権限を持っており、かつて政府がユニタリー(一層制自治体)化を推し進めるにあたって行使されたこともあるが、現在ではその権限が行使される予定はない。
しかしながら、現在の地方自治体を取り巻く厳しい環境下で、いくつかの小規模自治体では、単なる管理部門や特定サービスの統合のみならず、自治体自体の合併についても検討が行われている。このため自治体境界委員会では、地方自治体による課題への取組を支援するため、地方議員の定数変更や自主合併といった問題に対処する方法を示した2つの専門文書の作成に着手した。
*参照 The MJ 18.11.2010, front page


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