カテゴリー別アーカイブ: 福祉・保健・医療

福祉手当申請の却下件数が上昇

2011年03月15日 

社会保険庁に福祉手当の申請を却下された件数が増加していることが明らかになった。
北部スウェーデンのベステルノルランドでは、社会保険庁による申請却下の決定を不服として上訴した件数が、2010年は前年に比べて60%増加した。
国内全体では平均35%の増加であった。福祉手当の請求を却下された申請者のうち、裁判所でその訴えが認められたのはわずか5人に1人だった。
社会保険庁によると、2010年、福祉手当申請却下に対する行政裁判所への上告が19,385件あった。2009年は14,731件であった。福祉手当請求却下に対する不服申し立てがあった場合、社会保険庁がまず再審理し、申請者がその結果に不服がある場合は、行政裁判所で審議されることになる。裁判所による審議の結果、社会保険庁による申請却下決定が覆された件数は、2010年は2009年の20%から数ポイント下がった。裁判所の決定に対して、再抗告することができる。
【出典】The Localのウェブサイト
http://www.thelocal.se/32446/20110307/


医療の質と効率の評価

2009年11月24日 

州議会医療委員会における新しい保健および医療の質と効率の評価結果
 
 本年度の医療における品質と効率の評価が完了した。例えば、乳癌やその他の癌における生存率は改善されている。脳卒中の死亡率は減少傾向、広域スペクトル抗生剤の処方箋発行数は減少し、受診などの医療資源や患者が受けている施療についても満足度は増加している。
 これらが、2009年度の報告書、”ありのままの比較 ― 各地州議会医療委員会の比較2009”における保健および医療の質と効率の評価結果である。本年度報告は、社会保健福祉委員会および地方自治体および州議会連合(SKL)が発行する第4版目に当たる。 

― 報告書の中で多くの項目に改善結果を見られることは大変喜ばしいことです。このことが、”ありのままの比較”報告の本来の狙いです。報告書は、医療の実情についての対話を創造し、保健および医療の改善を促進します。本報告書は、州議会医療委員会の指導部にとっては保健医療行政の現況を追跡し、改善・開発を図るための基盤です。患者達が診断結果に応じて医療施設(病院など)を選択出来ることは、医療選択権の思想が導入されて以来の大きな課題です。このようにホーカン・スールマンは語っている。
 報告書の図表には124項目の結果について各地州議会医療委員会のランク付けがされている。さらに報告書は、各病院のレベルについての資料の詳細を記載している。総括的な結論として、各州議会医療委員会はその活動を改善しつつあると言える。しかしながら、各州議会医療委員会のそれぞれの部門、および各州議会医療委員会間で結果に依然として大きな差がある。― すなわち、施療と手術、受診や施療までの待機時間、医薬品の処方箋発行、および医療資源の活用度などである。

― 保健および医療の現状は、数多くの改善事項を残しているものの正しい方向へ向かっています。今後、医療の質的改善推進作業の支援について大きな要請が州議会医療委員会からSKLに寄せられています。私達は、各医療分野における良質な医療について国家レベルの方向付けを確立し、さらにより多くの比較分析と、フォローアップ内容を綿密にする中でこの要望に応えるつもりです。各医療分野における不均衡は低減しなければなりません。 このように社会保健福祉委員会理事長、ラーシュ・エリック・ホルム氏は語っている。

【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年11月24日発行分)
注:スウェーデンでは、医療サービス提供の責任は、主としてランスティング(州)にあり、ランスティングがほぼ全ての医療サービスを提供している。


待ち望んでいた提案

2009年11月17日 

 職業紹介所および保険局と各自治体の生活援助部門、労働市場部門、および難民担当部門との密接な協調関係を築く試みに少なくとも15自治体が参画することとなった。
 この試みは、調査グループ“地域サービスの連携改善”から行われた提案によるものであるが、SKL、スウェーデン地方自治体および州議会連合は、この提案を賛意をもって迎えている。

― この提案を私達は待ち望んでいました。私達は長い間、地域レベルでのリハビリテーリング、労働および生活を担当する部門の関係者相互間における協調関係を強化することのメリットを主張してきました。と、SKL、スウェーデン地方自治体および州議会連合のアンデシュ・クナーペ理事長は語っている。
 SKLでは、“共通の入り口”と言う呼称の下に地域レベルでの組織統合化のモデルを独自に立案していた。すなわち、複数の組織から何らかの措置を受ける必要のある人々は、各組織間の間隙に埋没するリスクを負ってはならないとするものである。 例えば、ノルウエー、デンマーク、イギリスなど幾つかの国々においては類似の福祉組織が開発されている。
 第一段階として調査グループは、政府の専任チームに改善組織を創設する任務を付与し、少なくとも15地方自治体が参画して試験的に運営するよう提案している。この試行結果は、全国的規模で新組織を運営する際の基盤とし、最終目的は 長期的、かつ協調して活動し得る福祉組織を形成することである。

― この組織改善計画、“共通の入り口”は、各地方自治体から非常に高い支持を受けているため、2010年度中にも試験的運営を開始できるよう国会のすべての政党が合意することをSKLは期待しています。 

【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年11月17日発行分)


ワクチン接種に10億クローナを追加予算

2009年08月25日 

 政府は、州議会に対して10億クローナの追加予算支出を決定した。追加予算は、集団ワクチン接種に振り向けられる。
 「政府が世界的感染症に対して参画し、責任を採ることは大歓迎。」、とSKLのアンデシュ・クナーペ会長は述べている。
 ワクチンの費用は、13億クローナに達するが、SKLでは、ほとんど同額の費用が注射、人件費、その他などに必要であると見込んでいる。
 「追加予算が総費用を賄えないとしても、ともかく、各州議会にとっては一安心である、これで通常の医療活動への影響を少なくすることが出来るだろう。」とアンデシュ・クナーペは語っている。
 また、クナーペ会長は、これで集団ワクチン接種の準備作業に新しい息を吹き込むだろう、と指摘して、
 「この接種作業を順調に達成するには、各企業や学校の健康管理部門の双方と協同して活働することが非常に重要だ。」と述べた。

【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2009年8月25日発行)
http://www.skl.se/artikel.asp?C=361&A=61686

<参考>
社会保健福祉委員会は、全州議会に対してポスター、パンフレット、文書、記事、Web本文など新型インフルエンザの予防接種に関する文書を送付した。SKLは、これを受け移民者向けに16言語に翻訳することを決定した。
【出典】SALARのウェブサイト http://www.skl.se/bunt.asp?C=7983


健康および介護の分野でスウェーデンはこのようにリードする

2009年01月15日 

 健康および介護の分野での起業家精神を増加させることがサービスを効率化し、開発する革新的なソリューションに寄与するだろう。
 政府は、SKL(*)、Almega  (http://www.almega.se参照、Svenskt Näringsliv、スウェーデンの企業連合下のサービス業界企業組織)及び社会省との協議を踏まえてNutek(産業開発に関する政府機関、http://www.nutek.se/sb/d/113、参照)が作成した健康および介護の分野における起業家精神の発揮についての長期アクションプランに関する提案を受け取った。健康およびケアの分野には強い変革へのプレッシャーが存在し、それを満たすためには効率化の向上が要求される。効率化の向上は、顧客および患者の満足度の向上とも切り離せない。例えば、患者のニーズを起点にケアを組織することによって経済的な効率性を向上させると同時に治療にかかる時間を短縮することもできる。SKLの会長、ホーカン・ソルマン、Nutekの副長官、スタファン・ラーションおよびAlmegaの産業政策部長、ウルフ・リンドベリィは、火曜日の討論記事においてこのように述べている。

* 英語でSALAR(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のことを指す。
【出典】スウェーデンの地方自治体協議会(Swedish Association of Local Authorities and Regions:SALAR)のニューズレター(2008年11月11日発行分)
http://www.skl.se/artikel.asp?A=55811&C=2977(スウェーデン語)


傷病手当(sickness benefit)の支給条件を厳格にする法案が可決

2008年09月04日 

・ラジオスウェーデンによれば、2008年6月5日、傷病手当の支給条件を厳しくする法案が可決された。
・傷病手当は、傷病の結果としての収入の損失に対して支給されるものである。新たな法では、長期疾患者は手当受給額が減額されることとなる。また、職探しを行うよう強いられる可能性もある。
・一方、これにより、生活保護を受けることになる人が増えるのでないか、との非難もある。

※この背景として、昨年発表された政府の予算書によれば、近年のスウェーデンでは、同等規模の他国に比べ病気による休職者数が増えており、傷病手当等の受給者が激増している。政府は、病気休暇からの復職を促進するとともに、傷病に関する効果的な保障制度の確立をめざしている。

(参考)
・ラジオスウェーデン
(http://www.sr.se/cgi-bin/International/nyhetssidor/artikel.asp?nyheter=1&ProgramID=2054&artikel=2116074)
・スウェーデン政府(予算書)
(http://www.sweden.gov.se/content/1/c6/09/05/18/d44289fd.pdf)


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